
Ryzen 7 7840U vs Core Ultra 7 255U:同価格帯ノートでどちらを選ぶべき?

この記事を書いている人(せせら)
普段はITフリーランスとして活動しています。
個人で作業効率化サービスを運営し、挑戦を続ける人々を静かに応援しています。
最近、Ryzen 7 7840UやIntel Core Ultra 7 255Uを搭載したノートPCが増えてきました。
どちらも10〜15万円台で購入できるミドル〜ハイレンジモデルに多く採用されており、性能・省電力・AI処理まで幅広くカバーしています。
とはいえ、いざ選ぶとなると迷うものです。
「Ryzenの方が速いって聞くけど、Intelの方がバッテリー長いんでしょ?」
「どっちを選べば後悔しない?」
そんな疑問を持つ方に向けて、この記事では両者の設計思想・性能・実際の使い勝手をやさしく整理していきます。
目次
設計思想のちがい
まず押さえておきたいのは、「Ryzen」と「Core Ultra」では目指している方向がそもそも違うということです。
それぞれの特徴を、シンプルにまとめると次のようになります。
- Ryzen 7 7840U:高性能を薄型でも発揮したい
- Ryzen 7 7840U:モノリシック構造(1チップで完結)
- Ryzen 7 7840U:GPUもCPUも強力
- Core Ultra 7 255U:省電力で長く安定して使いたい
- Core Ultra 7 255U:ハイブリッド構成(性能コア+効率コア)
- Core Ultra 7 255U:効率重視で静音性に優れる
Ryzen 7 7840Uは、「常に全力で速く動かす」タイプ。
8コア16スレッドで、CPUとGPUが一体化した構造です。クロックは最大5.10GHzに達し、重い処理にも余裕があります。
一方のIntel Core Ultra 7 255Uは、「必要なときだけ力を出すタイプ」。
12コア14スレッドのハイブリッド構成で、軽い作業では効率コアだけを動かし、消費電力を抑えます。
GPUにも違いがあります。
RyzenはRadeon 780M(12ユニット)を内蔵し、ゲームや動画編集に強み。
IntelはIris Xe(64 EUs)で、映像再生や軽作業に向いています。
つまりRyzenは「パフォーマンスを取りにいく設計」、
Intelは「バッテリーと静音を優先する設計」。
この考え方の違いを理解しておくと、次の「実際の使い勝手」もイメージしやすくなります。
実際の使い勝手で見える差
スペック上の数値よりも気になるのが「使ったときの印象」ですよね。
ノートPCで大切なのは、処理速度だけでなく、発熱・安定性・バッテリー持ちといったトータルの体験です。
Ryzen 7 7840UはTDP(熱設計電力)が28Wと高めで、負荷がかかると本体がやや温かくなります。
ただし、4nmプロセスになって以降は効率も大幅に改善されており、以前のRyzenよりも熱管理はしやすくなっています。
冷却設計がしっかりした機種なら、性能を長時間維持できる点が魅力です。
一方のIntel Core Ultra 7 255Uは、15Wの省電力設計。
発熱が少なく、静音性の高いモデルが多いのが特徴です。
負荷がかかっても短時間で温度を安定化させるため、サーマルスロットリング(熱による性能低下)が起こりづらいというメリットもあります。
Ryzen機が5〜7時間前後の実測が多いのに対し、Core Ultra搭載機は7〜9時間と、長時間駆動モデルが目立ちます。
特に外出先での作業が多い方や、カフェで長時間使いたい方にはIntelの安心感が大きいでしょう。
ゲーム・クリエイティブ作業ならRyzen
「軽いゲームも快適に遊びたい」
「動画編集や画像処理をしたい」
と思っているなら、Ryzen 7 7840Uを選ぶ価値があります。
Radeon 780Mは統合GPUとは思えないほど性能が高く、軽〜中程度の3DゲームならGTX 1650に迫る動作を見せます。
『原神』や『フォートナイト』程度ならフルHDでも快適。
また、Premiere ProやDaVinci ResolveなどのGPU支援が効くアプリでは、Ryzenの方がプレビューや書き出しがスムーズに感じられるはずです。
さらに、Ryzenは最大256GBまでメモリをサポートする点も特徴的。
実際にそこまで積むノートは少ないですが、仮想環境やAIモデルを扱うような重い作業にも対応できる余裕があります。
「パフォーマンスを取りたい」「グラフィック処理が多い」ときは、Ryzenが確実に優位です。
ただし発熱はやや高くなるため、冷却性能に余裕のあるモデルを選ぶのがポイントです。
モバイルや長時間利用ならIntel
逆に「持ち歩くことが多い」「オフィス・学校・カフェなどで長時間作業したい」という場合は、Intel Core Ultra 7 255Uの方が快適に感じられるでしょう。
Core UltraシリーズはAI処理専用ユニット「AI Boost」を内蔵しており、背景ぼかしやノイズ除去などのAI機能をハードウェアで処理できます。
ZoomやTeamsなどのビデオ通話でもCPU負荷を抑えられるため、ファンの音が静かでバッテリーも長持ちします。
また、ハイブリッド構成により、軽い作業中は効率コアのみで動作します。
ブラウジングやOffice操作、PDF閲覧などの日常用途では、発熱もほとんど感じないほど静か。
同価格帯でも、Intel搭載機は薄型・軽量なモデルが多い傾向にあります。
「鞄に入れて持ち歩く」「外で長く使う」そんな人にとって、Core Ultra 7 255Uは非常にバランスの良い選択肢といえます。
それぞれの特徴まとめ
ここまで見てきたように、RyzenとIntelは単なる性能勝負ではなく、設計思想そのものが異なるCPUです。
| 項目 | Ryzen 7 7840U | Intel Core Ultra 7 255U |
| 性能重視 | ◎ 高速・強力なGPU | ○ 必要十分な処理性能 |
| 省電力・静音 | ○ 改善傾向あり | ◎ 発熱少なく安定 |
| バッテリー持ち | △ 5〜7時間前後 | ○〜◎ 7〜9時間前後 |
| GPU性能 | ◎ Radeon 780M(GTX1650級) | △ Iris Xe(軽作業中心) |
| 向いている用途 | ゲーム・編集・AI処理 | モバイル・ビジネス・日常作業 |
Ryzenは「動かす力」が強く、Intelは「持たせる力」に優れています。
つまり、どちらが優れているかではなく、何を優先したいかで選ぶのが正解です。
- 少しでも処理速度を上げたい → Ryzen 7 7840U
- どこでも静かに長く使いたい → Core Ultra 7 255U
どちらを選んでも、現行の世代であれば十分に快適。
無理に性能差だけで決めず、自分の作業スタイルに合ったCPUを選ぶことが、結果的に長く満足できるノートPC選びにつながります。
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