
月と六ペンスのおすすめ版|文庫・電子書籍6冊を訳者と価格で比較
『月と六ペンス』を読もうと思っても、文庫や電子版がいくつか並んでいて、どれを手に取ればいいのか迷いますよね。版ごとに訳者やページ数も違います。
物語の中心にいるのは、家庭と仕事を離れて画家になろうとする男、チャールズ・ストリックランドです。芸術への執着を追うだけでなく、その選択に振り回される人々の姿も描かれます。
版の早見表
同じ物語でも、紙の文庫と電子書籍があり、訳者も異なります。価格は2026年9月28日時点の参考価格です。販売時期やストアによって変わります。
| 版 | 形式・訳者 | 頁数 | 参考価格 |
|---|---|---|---|
新潮文庫 | 文庫・金原瑞人訳 | 384 | 880円 |
光文社古典新訳文庫 | Kindle版・土屋政雄訳 | 321 | 990円 |
岩波文庫 | 文庫・行方昭夫訳 | 416 | 1,221円 |
グーテンベルク21 | Kindle版・龍口直太郎訳 | 428 | 594円 |
角川文庫 | 文庫・厨川圭子訳 | 384 | 1,056円 |
小学館 地球人ライブラリー18 | 単行本・大岡玲訳 | 283 | 2,270円 |
頁数だけで訳文の読みやすさは決まりません。紙の本で読むか、電子書籍にするかで候補を絞れます。
物語の入口
ストリックランドはロンドンで家庭を持ち、株式仲買人として暮らしていた男です。ある日突然その生活を離れ、絵を描くためにパリへ向かいます。
物語を語るのは、彼と関わる小説家の「私」です。語り手は主人公の内面を直接追いません。周囲の人々の証言や語り手の観察を通して、彼の行動が少しずつ見えてきます。
新潮社は、ストリックランドが家庭と仕事を捨てて画家を目指す筋立てを紹介しています。光文社も、彼を知る作家が過去と情熱の謎を追う物語として案内しています。行動の理由を読み手が考える余地がある作品です。(新潮社、光文社古典新訳文庫)
語り手の距離
語り手はストリックランドのすべてを知っているわけではありません。出会った時の印象や、あとから聞いた話を組み立て、読者へ彼の人物像を伝えます。
ストリックランドを「天才画家」とだけ見ると、周囲の人を傷つける振る舞いが引っかかります。身勝手な男だと決めつけても、絵に取りつかれたような情熱が気になる。評価が一つに定まりません。
誰かの人生を外側から語る形式は、本人の言い分だけで納得する小説とは読み味が異なります。語り手が何を見て、何を見落としているのか。その距離も読みどころですね。
芸術と生活
この作品では、芸術を追うためなら生活を捨ててよいのかが問われます。ストリックランドは家族や社会的な立場を後にして、絵を描くことへ向かいます。
小説は彼の選択を成功談として整えません。情熱が強烈であるほど、周囲の人が受ける痛みも具体的に描かれます。夢を追うことと誰かを犠牲にすることは、簡単には切り離せないのです。
題名の「月」と「六ペンス」は、理想と現実の対照として読まれることがあります。この二つを善悪に割り振らず、遠い理想に目を奪われた人が日々の暮らしをどう扱うか考えると、物語に近づけます。
ゴーギャンとの距離
ストリックランドは、画家ポール・ゴーギャンをモデルにした人物として知られています。小説のストリックランドは、ゴーギャンの人生を再現したものではありません。モームが創作した人物です。
KADOKAWAも、同作をゴーギャンをモデルにした画家の生涯を描く物語として紹介しています。実在の画家に関心がある人は、モームがストリックランドをどう作ったかに目を向けると読みやすいでしょう。(KADOKAWA公式オンラインショップ)
芸術家の伝記として読むと、語り手の「私」が見聞きした範囲で物語が進むことに意外さを感じるかもしれません。人の行動を見たときに生じる嫌悪や関心を味わう小説です。
新潮文庫版
新潮文庫版は金原瑞人訳で、384ページです。参考価格は880円。紙の文庫では最も価格が低く、まず一冊読み通したい人も手に取りやすい価格帯です。
新潮社はこの版を新訳として案内し、ストリックランドの失踪から画家としての人生へ進む筋を紹介しています。金原訳で読みたい人や、読み終えたあと手元に本を置きたい人におすすめです。(新潮社)
384ページの文庫なので、作品を読む時間をまとまって取る人にも手に取りやすい分量です。初読で迷う場合は、価格を抑えて紙の本で読める新潮版を選ぶとよいでしょう。

光文社版
光文社古典新訳文庫版は土屋政雄訳のKindle版です。参考価格は990円、321ページ。電子書籍で読むなら、土屋訳のこの版がおすすめです。
紙の本を棚に置きたい人には、今回の候補では文庫版があります。電子書籍で読みたい人や、土屋訳で作品を読みたい人は光文社版を選べます。

岩波文庫版
岩波文庫版は行方昭夫訳で、416ページです。参考価格は1,221円。新潮文庫や角川文庫より価格は高めですが、行方訳で読みたい人におすすめです。
モームの作品を岩波文庫でそろえている人や、以前に行方訳を読んだことがある人にも合います。注文時はタイトルと訳者名を確認すると、版を取り違えません。
416ページは、今回の文庫候補で最も多い頁数です。文字組みや解説でも頁数は変わるため、数字だけで本文の長さや訳文の優劣を判断しないようにしましょう。

角川文庫版
角川文庫版は厨川圭子訳で、384ページです。参考価格は1,056円。紙の文庫で読みたい人が、新潮版とは異なる訳者を選ぶ時におすすめです。
KADOKAWAの公式オンラインショップでは、画家ゴーギャンをモデルにした物語として紹介され、作品が描く芸術家の生涯にも触れています。購入前に版元の作品ページを見て、表紙や収録内容を確認できるのも便利です。(KADOKAWA公式オンラインショップ)
新潮文庫と同じ384ページでも、訳者が違えば訳文も異なります。すでに手元にある版とは別の翻訳で読み直したい人におすすめです。

小学館版
小学館の『地球人ライブラリー18』は大岡玲訳の単行本で、283ページです。参考価格は2,270円。今回の候補の中では価格が高めなので、訳者やシリーズを指定して読みたい人向けです。
文庫より大きな単行本を手元に置きたい人や、過去に読んだ版とは別の訳者を試したい人にも選ばれます。初めて読む一冊の価格を抑えるなら、他の文庫版や電子版の方が負担は小さめです。
ページ数が少なくても、それだけで短縮版とは判断できません。版型や文字組み、付録によって頁数は変わります。気になる人は書店で本文の見え方を確かめてから決めると納得しやすいでしょう。

結論
紙の文庫で初めて読むなら、新潮文庫版がおすすめです。金原瑞人訳で384ページ、参考価格880円。価格と分量のバランスが取りやすい一冊です。
電子書籍で価格を抑えるなら、龍口直太郎訳のグーテンベルク21版が594円です。光文社版は、土屋政雄訳と作品解説などの付録を重視する人におすすめです。
行方昭夫訳、厨川圭子訳、大岡玲訳を読みたい人には、それぞれ岩波文庫、角川文庫、小学館版がおすすめです。表示価格は時期で変わるため、注文時に販売価格を確認してください。

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