
ガラス工芸用耐熱手袋の選び方|耐熱温度・耐切創レベル・サイズを確認
ガラス工芸で使う耐熱手袋は、温度の数字が大きいほど安心とは限りません。熱いガラスに触れるのか、炉の輻射熱を受けるのかで必要な性能が変わるためです。
しかも、ガラス片による切創、前腕への熱、指を動かす作業のしやすさも無視できません。高温対策だけを見て買うと、細かい作業で手袋が邪魔になることがあります。
今回は耐熱温度の表示を接触熱・断続熱・輻射熱に分け、耐切創レベル、指形、サイズまで商品データに沿って整理します。
商品早見表
最初に今回紹介する手袋の数値を並べ、商品ページに記載された方式も分けて記載します。
価格は2026年9月26日時点のAmazon参考価格です。販売時期や在庫によって変わるため、購入時には表示価格を確認してください。
| 商品 | 連続熱 | 断続・瞬間熱 | 接触熱 | 輻射熱 | 耐切創情報 | 指形 | 全長 | サイズ | 参考価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
BAOSHISHAN | 500〜650℃ | 1000〜1100℃ | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 5本指 | 36cm | 一貫サイズ | 8,446円 |
Delta KPG10 | 記載なし | 記載なし | 約250℃短時間 | 記載なし | EUカットD | 記載なし | 30cm | 手のひら周り229mm・手長192mm | 4,678円 |
TRUSCO TCAT5-A | 記載なし | 瞬間800℃ | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 5本指 | 35cm | 手のひら周り31cm・中指7.5cm | 17,677円 |
TRUSCO TCAT3-A | 記載なし | 瞬間800℃ | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 3本指 | 35cm | 手のひら周り31cm・中指7.0cm | 16,236円 |
JUTEC H115AS238-W2 | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 記載なし | EN388 433444 | 記載なし | 38cm | XL・手のひら周り31cm・中指10.5cm | 14,091円 |
Moolo Store | 方式不明 | 方式不明 | 方式不明 | 方式不明 | 記載なし | 記載なし | 42cm | 幅15cm | 2,084円 |
Emuia 38cm | 記載なし | 記載なし | 約350℃ | 約1000℃ | 記載なし | 指分離 | 38cm | フリー | 3,624円 |
Emuia 45cm | 記載なし | 記載なし | 約350℃ | 約1000℃ | 記載なし | 指分離 | 45cm | フリー | 3,989円 |
ミドリ安全W M | 方式不明 | 方式不明 | 方式不明 | 方式不明 | 記載なし | 記載なし | 記載なし | M | 1,300円 |
ミドリ安全W L | 方式不明 | 方式不明 | 方式不明 | 方式不明 | 記載なし | 記載なし | 記載なし | L | 1,482円 |
この表で重要なのは1000℃という数字だけを拾わないことです。連続、断続、瞬間、接触、輻射熱では、手袋が想定する熱の受け方が違います。
接触熱の記載
熱したガラスや治具を短時間持つ作業では、接触熱の数値が書かれている商品が判断材料になります。Delta KPG10は約250℃の短時間接触、Emuiaは約350℃の接触耐熱と記載されています。
ただし、どちらも何分間でも同じ温度に耐えるという意味ではありません。Deltaは短時間接触に限ると明記され、Emuiaも約350℃という数値だけでは、ガラスの形状や接触時間まで判断できないところがあります。
ミドリ安全Wはアラミド繊維の耐熱温度を370℃としていますが、今回の商品データでは接触熱か連続熱かの方式までは分かりません。370℃という数字だけを接触耐熱として扱わず、用途を限定して使う商品です。

断続熱の記載
BAOSHISHANは500〜650℃の連続作業と、1000〜1100℃の断続作業を分けて記載しています。高温のガラスを一瞬持ち上げる、短時間だけ治具に触れるといった場面では、表示の意味を読み取りやすい商品です。

TRUSCO TCAT5-AとTCAT3-Aは、素材の瞬間耐熱温度が800℃です。瞬間という条件が付くため、熱したガラスを長時間握り続ける用途や、同じ場所へ熱が当たり続ける作業へ数字をそのまま広げてはいけません。

Moolo Storeは1000℃までの高温耐性をうたっていますが、商品データだけでは連続・断続・接触のどれに当たるか分かりません。価格は2,084円と低めですが、温度方式が分からないまま高温作業へ使う商品ではありません。

輻射熱と腕まわり
炉の前でガラスを加熱したり、熱い設備へ腕を近づけたりするなら、手のひらと前腕を覆う長さが問題になります。手袋の全長は今回の商品では30cmから45cmまで差があります。
Emuiaは38cmと45cmの2種類があり、どちらも接触約350℃、輻射熱約1000℃と記載されています。前腕を広く覆いたい作業では45cm、肘まわりまで必要かどうかを確認できる環境なら38cmが候補です。

BAOSHISHANは36〜38cmの腕部分に複合アルミ箔の難燃素材を使い、輻射熱を反射すると説明されています。Moolo Storeは42cm、JUTECは38cmですが、輻射熱の数値は商品データにないため、長さだけで同じ性能とは判断できません。

切創と指の動き
ガラス工芸では、割れた縁や細かな破片で手のひらを切る危険があります。耐熱温度と耐切創性能は別の項目なので、高温に強い素材名だけを見て、切創にも強いと決めつけないことが大切です。
切創レベルが明記されている商品では、Delta KPG10のEUカットレベルDが目立ちます。約250℃の短時間接触と耐切創を一緒に確認できるため、熱と切創を数値で確認したい人にはDelta KPG10がおすすめです。

JUTECはEN388 2016規格の433444という表示があります。ただし、このコードを商品データだけから別の耐切創レベルへ置き換えることはせず、表示された規格番号をそのまま確認する扱いにします。
指形では、TRUSCO TCAT5-Aが5本指、TCAT3-Aが3本指です。5本指のTCAT5-Aは指ごとに分かれ、TCAT3-Aは中指長さ7.0cmの3本指構造ですが、数字だけで器用さや安全性の優劣までは断定できません。

サイズの数字
手袋の全長は手のひらを守る範囲と袖口から前腕までの覆い方に関係し、今回の商品では30cmから45cmまで差があります。
ただし、長いほど作業しやすいわけではありません。袖口が長い手袋は前腕を覆える一方、細かなガラス片を拾う作業や道具を持つ作業で、布や裏地が手首の動きを妨げる場合があります。
Deltaは手のひら周り229mm・手長192mm、TRUSCOとJUTECは手のひら周り31cmと記載されており、同じフリーサイズでも数値は揃っていません。
価格と数量
参考価格はミドリ安全W Mが1,300円、Lが1,482円、Moolo Storeが2,084円で、Emuiaは38cmが3,624円、45cmが3,989円です。安い商品ほど安全性が低いと決めることはできませんが、温度方式の記載量には差があります。

BAOSHISHANは8,446円、Deltaは4,678円、JUTECは14,091円、TRUSCOは16,236〜17,677円が参考価格です。耐熱温度と耐切創情報、指形、前腕の長さまで必要な作業なら、価格差が判断材料になります。
Emuiaは38cm、45cmともに2個セットのデータです。他の商品は1双表記や数量の記載が異なるため、単純に1個あたりの価格で比べないでください。いずれも2026年9月26日時点の目安で、時期によって変動します。

最後に決める一双
ガラスへ直接触れる熱を短時間だけ扱い、接触温度を数値で確認したい場合は、約250℃短時間接触のDelta KPG10、または約350℃接触のEmuiaがおすすめです。350℃を超える対象物へ使えると解釈してはいけません。
炉の前で輻射熱を受ける作業では、約1000℃の輻射熱と38cmまたは45cmの長さが記載されたEmuiaがおすすめです。前腕まで広く覆うなら45cm、腕の動きを少し抑えたいなら38cmにします。
連続熱と断続熱の区分、36cmの長さ、手のひらと親指の補強をまとめて確認したい場合はBAOSHISHANがおすすめです。切創レベルを明記した商品が必要ならDelta KPG10、5本指と3本指を作業内容で分けたいならTRUSCO TCAT5-AとTRUSCO TCAT3-Aの2製品を確認します。
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