
TSI VelociCalc 9535-Aを購入前に確認|可動プローブ・測定範囲・校正証明書
TSI VelociCalc 9535-Aは似た型番が多く、プローブの形や校正証明書の違いが分かりにくいですよね。必要な機能や書類がそろわない型番は、購入前に候補から外してください。
点検口の奥で先端の向きを変えるなら、可動プローブ付きの9535-Aがおすすめです。ただし、湿度測定や特定形式の校正証明書が必要なら、9535-Aでは条件を満たせません。
この記事では、9535-Aの可動プローブ、測定範囲、校正証明書の違いを、用途別の早見表と一緒に解説していきます。
TSI風速計の早見表
TSIの風速計は、測定棒の先端を曲げる必要があるか、湿度まで測るか、認定付き校正証明書が必要かで型番が分かれます。必要な条件別の候補は、次の5型番。
| 型番 | 測定棒 | 測れるもの | 記録・風量計算 | 向く人 |
|---|---|---|---|---|
| TSI 9535-A | 可動式 | 風速0~30メートル毎秒(m/s)・温度 | 対応 | 点検口の奥で先端の向きを変える人 |
| TSI 9535 | 直線式 | 風速0~30m/s・温度 | 対応 | 測定口からまっすぐ挿入できる人 |
| TSI 9535-A-AC | 可動式 | 風速0~30m/s・温度 | 対応 | 国際規格に基づく認定校正(ISO/IEC 17025)が必須の人 |
| TSI 9545-A | 可動式 | 風速0~30m/s・温度・湿度 | 対応 | 湿度まで同じ測定棒で測る人 |
| TSI 9515 | 直線式 | 風速0~20m/s・温度 | 非対応 | 記録と風量計算を使わない人 |
点検口から測定棒を入れ、奥で先端を気流へ向けるなら9535-Aがおすすめです。風速・温度・風量計算・データ記録に対応しますが、湿度は測れず、標準の校正証明書だけでは社内規定を満たさない場合があります。

まっすぐ挿入できるなら9535、湿度まで測るなら9545-A、認定校正が必須なら9535-A-ACがおすすめです。記録と風量計算が不要なら9515で十分。
TSI可動プローブ向きの人
9535-Aの測定棒(プローブ)は、全体が自由に曲がるタイプではありません。曲げられるのは先端近くの15.24cm。空調ダクトの点検口から入れ、奥で先端の向きを変える作業に向きます。
- 点検口から入れた後、空調ダクトの奥で先端の向きを変える
- 風が流れてくる側へ、測定棒の先端を向ける
- 障害物を避けて、測定する場所まで先端を届かせる
この作業がある現場なら、9535-Aの可動プローブが候補になります。曲がる部分は15.24cm。奥まで届かせる長さと、曲げた後に先端を置く場所を先に見ておくと安心です。
測定口へまっすぐ挿入できるだけなら、同じ測定機能を持つ9535で足ります。9535-Aを選ぶ前に、先端7.0mm、曲がる部分の付け根9.5mmが通るかを確認しましょう。温度を測る位置まで、少なくとも7.5cm入る必要があります。
TSI測定範囲と使える用途
9535-Aの風速表示は0~30メートル毎秒(m/s)。表示範囲と精度が保証される範囲は別なので、ここは混同しないこと。精度の公表条件は0.15~30m/sで、読み値の±3%または±0.015m/sの大きい方が基準になります。
- 空調システムの性能確認
- 空調設備の試運転・調整
- 設備保全
- クリーンルームなど重要環境の認証作業
- ダクト内を複数点で測る風速確認
風量はセンサーが直接拾う値ではなく、風速とダクトの形・寸法から計算します。現場の条件での値(実風速)と、基準へ換算した値(標準風速)を出すなら、気圧などの条件入力も必要です。
0.15m/s未満を厳密に判定したい場合、表示範囲だけでは足りません。低風速の結果を重視するなら、公表精度の適用範囲を外れる点を購入前に確認してください。
プローブは-18~93℃を測れますが、本体の使用温度範囲は5~45℃です。風速精度の温度補償範囲(公表精度を適用できる温度帯)は5~65℃。温度センサーが最終値の66%に達するまで2分かかるので、数秒で温度を確定する使い方には不向きです。
TSI校正証明書の違い
9535-Aと9535-A-ACは、測定機能だけでなく校正書類が異なります。可動プローブがあり、標準の証明書で受け入れられるなら9535-A。認定された校正が必要なら9535-A-ACです。
| 型番 | 測定棒 | 校正書類 | 購入条件 |
|---|---|---|---|
| 9535 | 直線式 | 標準の校正証明書 | 指定の認定校正が不要 |
| 9535-AC | 直線式 | 風速・温度のISO/IEC 17025認定校正 | 直線式で認定校正が必須 |
| 9535-A | 可動式 | 標準の校正証明書。NISTトレーサブル(米国の国家標準へたどれる)英文証明書は商品ごとに確認 | 可動式で標準書類を使える |
| 9535-A-AC | 可動式 | 風速・温度のISO/IEC 17025認定校正 | 可動式で認定校正が必須 |
ISO/IEC 17025認定校正は、校正を行う機関の能力まで認定する仕組み。標準の校正証明書やNISTトレーサブルの証明書とは、意味が異なります。
社内規定が標準の校正証明書で足りるなら、可動プローブには9535-Aが合います。風速・温度・風量計算・記録に対応しますが、認定校正の書類は標準で付きません。
社内規定や顧客からISO/IEC 17025、国内の認定校正制度(JCSS)、和文証明書、トレーサビリティ体系図、指定校正点を求められる場合は、9535-A-ACの校正範囲と証明書様式を発注前に確認しましょう。
TSI記録機能と付属品
9535-Aは、測定値をその場で見るだけでなく本体へ保存できます。12,700件を超えるデータを、100個の測定グループ(テストID)に分けて管理可能。記録間隔は1秒~1時間。
画面に表示する項目と、保存する項目は別々に設定します。保存データはパソコン接続用USBケーブルとLogDat2(保存データをパソコンへ取り出すソフト)で取り出せます。常時ライブ監視や特定OSでの動作が条件なら、その対応状況を発注前に確認しましょう。
- 9535-A本体と関節式の測定棒
- キャリングケース
- 単3アルカリ電池4本
- USBケーブル
- 操作・サービスマニュアル
- 校正証明書
LogDat2、NISTトレーサブル英文校正証明書、和文マニュアルは、販売時期や販売者で提供形態が変わる場合があります。LogDat2がCD-ROMではなくダウンロード提供のこともあるため、必要な書類とソフトの入手方法を購入前に確認しましょう。ACアダプターは標準付属ではなく、品番801761のオプションです。
QA
校正証明書で再校正不要?
証明書があっても、再校正は必要。9535-Aは精度を保つため、年1回の再校正が推奨されています。本体のCalibrationメニューで行う利用者側の補正は、基準器に合わせる軽微な調整です。校正証明書の発行や多点校正の代わりにはなりません。
社内規定で証明書の種類や校正点を指定している場合は、再校正の依頼先に加えて、校正期間中の代替機、費用、納期まで購入前に確認してください。
LogDat2の対応OSは?
購入前に対応環境を確認してください。9535-Aの保存データはUSBケーブルとLogDat2でパソコンへ移せます。ただし、Windows 11やMacの対応可否、USBドライバーの制限までは、製品仕様だけで判断できません。
社内PCで使うなら、OS、管理者権限、USB接続制限、ソフトの入手方法を販売会社またはTSIへ発注前に確認してください。
条件別の購入結論
9535-Aを購入するか迷ったら、先端を曲げるか、必要な校正書類があるか、湿度まで測るかで分けます。型番ごとの結論は次の通りです。
- 可動プローブで風速・温度・記録を使う人:TSI VelociCalc 9535-Aがおすすめです。
- 直線式で認定校正が必要な人:9535-ACが該当します。
- 可動式で認定校正が必要な人:9535-A-ACは証明書の様式確認が必要です。
- 湿度も測る人:9545-Aが該当します。
- 風速・温度だけで足りる人:9515で足ります。
9535-Aは標準の校正証明書向け。ISO/IEC 17025認定校正は付きません。まっすぐ挿入するだけなら9535、風量計算とデータ記録が不要なら9515で足ります。
9535-ACと9535-A-ACは、証明書の様式・校正範囲・納期を販売会社へ確認してください。9545-Aは湿度を測れますが、温度範囲も同じではありません。使用環境を確認したうえで、購入する型番を決めてください。
0.15m/s未満の風速を精度重視で測る用途、常時ライブ監視、数秒での温度確定、即納が必須なら9535-Aを急いで発注しないでください。用途と校正書類、PC接続、納期をそろえてから型番を確定してください。
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