
ラジコンのピニオンギアは何ピッチ?48ピッチ・64ピッチとモジュールの見分け方
外したピニオンギアを手に取っても、「20」などの歯数しか刻印がなく、48ピッチなのか64ピッチなのか分からないことがあります。見た目がよく似た0.5Mや0.6Mも売られているので、どれを買えばいいのか迷いますよね。
交換品は、ピニオン単体の見た目だけでは決められません。かみ合うスパーギヤと同じ規格を、車体の説明書や純正品番から確かめるのがおすすめです。ノギスで測る外径は、品番が見つからない時の補助にとどめましょう。
目次
答えはスパーギヤ側に書いてある
ピニオンの見た目より、かみ合うスパーギヤに残った情報が手掛かりです。車体の説明書や純正パーツ表があれば、48Pや0.6Mの指定と使える歯数まで分かります。
説明書が見つからない時は、スパーの袋や刻印、外したピニオンの品番を順にたどってください。元の組み合わせが残っていれば、表記と品番から交換品が見えてきます。
| 残っている情報 | 調べる場所 | 決められること |
|---|---|---|
| 車体名・型番 | 説明書、純正パーツ表 | ピッチ、許容歯数、対応品番 |
| スパーの袋・刻印 | 袋、スパー本体 | 48P、64P、モジュール表記 |
| 外したピニオンの品番 | メーカー公式ページ | 歯数、規格、対応シャーシ |
ピッチが同じでも、圧力角が違う歯車は正しくかみ合いません。KHKの歯車解説にもある通り、ピッチと圧力角の両方をそろえておきましょう。
RC用ピニオンは、圧力角が商品ページに出ていない場合もあります。数字だけが同じ別メーカー品へ飛びつかず、同じシャーシの公式対応品か、メーカーが互換を明記した商品を使いましょう。
48P・64P・0.6Mは数字の読み方が違う
48Pと64PのPは、1インチのピッチ円直径に何枚の歯があるかを表すDP(ダイヤメトラルピッチ)の表記です。数字が大きい64Pの方が48Pより歯が細かく、同じ20Tなら外径も小さくなります。
0.5Mや0.6MのMは、mmで歯の大きさを表すモジュールです。DPとモジュールはm = 25.4 ÷ DPで換算でき、48Pは約0.5292M、64Pは約0.396875Mに当たります。
| 表記 | 換算値 | 20Tの公称外径 | 混同しやすい相手 |
|---|---|---|---|
| 48P | 約0.5292M | 11.64mm | 0.5M |
| 64P | 約0.396875M | 8.73mm | 0.4M |
| 0.5M | 50.8DP | 11.00mm | 48P |
| 0.6M | 約42.33DP | 13.20mm | 48P |
| 0.4M | 63.5DP | 8.80mm | 64P |
KHKの解説にもある通り、近いDPとモジュールを組み合わせると異音や早期破損につながるため、48Pと0.5M、64Pと0.4Mを混ぜて使わないでください。
刻印が読めないピニオンは歯数と外径で候補を絞る
刻印や袋が残っていなければ、手掛かりはピニオンの歯数と歯先の最大外径です。歯数を数えたら、ノギスを少し回しながら外径を数か所で測ってください。
DP表記の公称外径は、おおよそ(歯数 + 2) × 25.4 ÷ DPで求められます。モジュール表記なら外径 ≒ m × (歯数 + 2)なので、数えた歯数を入れて測定値と比べてみましょう。
| 20Tの規格候補 | 計算上の公称外径 |
|---|---|
| 0.6M | 13.20mm |
| 48P | 11.64mm |
| 0.5M | 11.00mm |
| 0.4M | 8.80mm |
| 64P | 8.73mm |
ただし、この式は標準的な歯形を前提にした概算で、転位や歯先の形、摩耗、ノギスの当て方でも数値がずれます。64Pの20Tと0.4Mの20Tは計算上でも約0.07mmしか違わないため、家庭での測定だけでは見分けにくいでしょう。
外径と歯数だけでは圧力角まで判定できません。候補が二つ残ったら注文せず、スパーの刻印、車体の説明書、車種別の部品表から元の規格を調べ直しましょう。
規格が決まったら同じ表記の商品から選ぶ
規格が分かった後も、メーカーの対応表で許容歯数とモーターマウント範囲を合わせる必要があります。20Tから24Tへ替えるような歯数変更は商品名の数字だけでは決められないので、規格と許容歯数の両方をそろえましょう。
0.6M指定ならタミヤの対応表に戻る
タミヤの0.6モジュール用ピニオンでは、53509が20T、54771が24Tです。どちらも0.6Mですが、歯数が違えばモーターの位置やギヤ比も変わります。
24Tの方が速そうだからと決めず、車種別の説明書やタミヤの対応表にその歯数が載っているかを確かめましょう。同じ0.6Mでも、すべてのタミヤ車へ付くとは限りません。


48P指定なら20Tと22Tを速度だけで決めない
ヨコモのBM-4820Aは48P・20T、BM-4822Aは48P・22Tです。2枚の歯数差でもギヤ比は変わるため、22Tを20Tの上位品だと思わない方がよいでしょう。
ピニオンを大きくすると高速寄りになる一方、モーターやESCの負荷と発熱も増えやすい点に注意してください。シャーシの組み合わせ表とモーターマウント範囲の両方に、その歯数が含まれるかを確かめてください。


64P指定なら軸径まで合わせる
川田模型のPNB20は64P・20Tで、公式ページには3.175mm軸用と記載されています。64Pの歯形だけで決めず、手元のモーター軸径とも照合しておきましょう。
PNB28は64P・28Tですが、28Tが車体側の許容範囲に入るかは別の話です。商品側の軸穴表記と車種別の歯数表を確認し、外径が近い0.4Mの代用品には使わないでください。


・模型用塗装ブースのフィルター交換|交換時期と型番別サイズの調べ方
同じピッチでも軸穴と歯幅が合わなければ付かない
ピッチと歯数が同じでも、軸穴や歯幅が合わなければ、そのピニオンは取り付けられません。ボスの向きや出っ張り方によっては、モーターマウントやギヤカバーへ当たることもあります。
モーター軸径はモーターの公式仕様、ピニオンの穴径は商品ページや図面で照合しましょう。たとえば3.175mm軸用の商品が3.17mmや3.2mmと丸めて書かれる場合もあるため、表記が近いだけで同じ穴径とは決められません。
| 確認する所 | 確認内容 | 合わない時に起きること |
|---|---|---|
| モーター軸とピニオンの穴 | 両方の公式仕様にある径 | 入らない、または固定できない |
| ピニオンの歯幅と位置 | スパーの歯面と横方向に重なるか | 歯の一部だけに負担がかかる |
| ボスとイモねじ | ボスの向き、ねじ位置、軸の平らな面 | 緩みや偏りが出る |
| 周囲の空間 | マウントやギヤカバーとの隙間 | 回転部分が車体へ触れる |
穴を削って広げたり、径の違う穴をイモねじの締め付けだけでごまかしたりするのは避けた方がよいでしょう。歯幅がずれたまま走らせず、指定寸法と固定方法が合う商品を使いましょう。
歯数を増やす前にギヤ比表を見る
同じスパーギヤを使う場合、基本のギヤ比はスパー歯数 ÷ ピニオン歯数で求められます。ピニオンの歯数を増やすほど数値は小さくなり、一般には高速寄りになる反面、モーターやESCの負荷と発熱も増えやすい点に注意してください。
反対に歯数を減らすと、加速寄りになりやすい一方で最高速は下がる傾向です。ただし、実際の走り方はタイヤ径、モーター、スパーギヤ、路面、走行時間、車体内部の減速比でも変わるため、どの車にも当てはまる歯数は決められないでしょう。
| ピニオンの変更 | 基本ギヤ比の変化 | 一般的な傾向 | 注意したいこと |
|---|---|---|---|
| 歯数を増やす | 小さくなる | 高速寄り | 負荷、発熱、取付可能範囲 |
| 歯数を減らす | 大きくなる | 加速寄り、最高速は低下 | 必要な速度と走行条件 |
歯数変更は、車種説明書の許容範囲とメーカーのギヤ比表にある組み合わせから始めるのがおすすめです。固定穴式では表にない組み合わせを試さず、変更幅は一度に1〜2Tとし、短時間の走行後にモーターとESCの温度を測ってください。異音や加速の鈍り、目立つ温度上昇が出たら、それ以上は走らせない方がよいでしょう。
紙を抜いたあと手で一周回るか確かめる
バックラッシュを調整する前に車体の電源を切り、バッテリーを取り外してください。薄い紙を使う方法はモーター位置を動かせる車体向けで、固定穴式では説明書の指定穴と組み合わせ表に従う必要があります。
- モーターの固定ねじを緩め、コピー用紙など薄い紙を細く切る。
- 紙をピニオンとスパーの間に噛ませ、無理に押し付けずにモーター位置を決めて固定ねじを締める。
- スパーを手で少し回して紙を送り出し、歯の間に破片が残っていないかを見る。
- スパーを手でゆっくり一周させ、全周の噛み合いを確かめる。
紙の厚さだけで隙間を決めず、メーカー説明書に調整方法や指定値があれば、そちらに合わせるのがおすすめです。紙を抜いた後は、引っ掛かり、異音、極端なきつさ、大きすぎる遊びがなく、ピニオンとスパーの歯面が横方向にそろっているかを確かめましょう。
確認のために高出力で回す必要はありません。指や工具を歯車の近くに置いたまま通電せず、引っ掛かりが残る時はバッテリーを外した状態で位置を直してください。
選んだピニオンと走行前の条件をもう一度そろえる
同じメーカーでも、規格や歯数が変われば品番も変わります。規格・歯数・品番がすべて車体の指定と一致する物を使いましょう。
| メーカー | 規格 | 歯数 | 品番 |
|---|---|---|---|
| タミヤ | 0.6M | 20T | 53509(OP.509) |
| タミヤ | 0.6M | 24T | 54771(OP.1771) |
| ヨコモ | 48P | 20T | BM-4820A |
| ヨコモ | 48P | 22T | BM-4822A |
| 川田模型 | 64P | 20T | PNB20 |
| 川田模型 | 64P | 28T | PNB28 |
注文前は、スパーギヤと同じ規格、車種の許容歯数、軸穴、歯幅、車体との干渉を確認してください。取り付けた後はイモねじとバックラッシュを見直し、バッテリーを外したまま歯車を手で一周させて、全周が滑らかに回れば走行前の確認は終わりです。
規格候補が複数残る時や、圧力角と互換性が分からない時は、まだ走らせない方がよいでしょう。手で回して引っ掛かる、異音がする、回転に偏りがある場合も通電せず、説明書の規格と純正品番から選び直してください。
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