排水処理の本おすすめ4選|工場排水の実務入門と水処理技術を比較

排水処理の本おすすめ4選|工場排水の実務入門と水処理技術を比較

オフ 投稿者: せせら編集部

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工場の排水を学びたいと思って本を探すと、汚水全般、生物処理、めっき排水、図解入門と方向が分かれます。書名だけでは難易度の差が見えにくく、迷いますよね。

設備担当として全体像をつかみたいのか、処理槽のしくみを理解したいのかで、読みやすい本は変わります。専門書をいきなり開くと、用語の多さで手が止まるところもあります。

今回は指定4冊の価格・ページ数・主題を並べます。工場排水の実務入門から専門技術まで、どの本がどの段階に適するのかを比較していきます。

4冊の早見表

工場排水を広く学ぶ本と、特定の処理技術を深く扱う本は役割が違います。最初に全体を見渡す本から読むか、めっきや生物処理のような専門分野から入るかで、読み進めた時の負担も変わるでしょう。

下の表では、4冊の守備範囲とページ数を短く並べました。価格は2026年9月26日時点のAmazon参考価格で、販売時期によって変わります。

書名主な守備範囲ページ参考価格
汚水・排水処理の知識と技術汚水・排水処理の知識と技術工場排水の総合入門2412,750円
生物学的排水処理工学生物学的排水処理工学生物処理の工学2834,620円
現場技術者のための めっき排水の処理技術 (NextPublishing)現場技術者のための めっき排水の処理技術 (NextPublishing)めっき排水の実務1362,640円
図解入門 よくわかる最新水処理技術の基本と仕組み[第3版図解入門 よくわかる最新水処理技術の基本と仕組み[第3版]水処理全般の図解2421,650円

価格だけなら、秀和システムの図解入門が最も手に取りやすい価格です。ただし、安さと専門性は同じではありません。めっき工程の担当者には、価格より対象分野の一致が重要になります。

排水処理の全体像

工場排水の処理は、汚れを沈める、薬品で反応させる、微生物に分解させるといった複数の方法を組み合わせます。排水の種類によって必要な処理が変わるため、設備名だけ覚えても実務にはつながりません。

たとえば、濁りや固形物には沈殿やろ過、金属を含む排水には薬品による反応が関係します。生物が分解できる有機物には生物処理が使われ、処理後に出る汚泥の扱いまで含めてひとつの流れです。

この全体像を初めて学ぶなら、専門用語を一つずつ深掘りする本より、水処理の種類を横断して説明する本が適しています。図解入門は水処理全般の入口になる本、汚水・排水処理の知識と技術は実務寄りの総合案内、と考えると位置づけが見えます。

一方、生物処理工学やめっき排水の処理技術は、対象を絞って理解したい人向けです。処理方式の違いを比較する段階に入った人ほど、専門書の情報量が役立つでしょう。

全体をつかむ入門書

工場排水について何から読めばよいか分からない人には、オーム社の 汚水・排水処理の知識と技術がおすすめです。書名に汚水と排水の両方が入り、特定の業種だけに話が偏らない点が魅力です。

著者は三好康彦氏、ページ数は241ページ。2002年刊行の単行本なので、最新の法規制や現在の製品情報を確認する本ではありません。ただ、排水処理の用語と技術を広くつかむ入口としては、まとまった分量です。

工場の設備担当になったばかりで、沈殿やろ過の言葉がまだ頭の中でつながっていない人に適しています。薬品処理や生物処理を含め、個別設備の細かな運転条件より、処理技術の全体配置を理解したい場面です。

反対に、めっき工場の金属排水だけを担当している人や、活性汚泥の計算を深く学びたい人には、専門書を追加したくなります。最初の一冊として全体をつかみ、その後に専門分野へ進む使い方が現実的です。

参考価格は2,750円。4冊の中では中間に位置し、幅広いテーマを1冊で押さえたい人にとって、価格と情報量の釣り合いが取りやすい本です。価格は時期によって変わるため、購入時点の表示を確認してください。

汚水・排水処理の知識と技術
汚水・排水処理の知識と技術

生物処理を深掘り

排水中の有機物を微生物の働きで減らす仕組みを詳しく知りたいなら、コロナ社の 生物学的排水処理工学が中心になります。タイトルに工学とある通り、入門書より専門寄りの内容を想定した本です。

生物処理では、微生物が活動できる環境をつくります。空気や栄養、汚泥の状態なども管理します。処理槽に水を入れれば自然にきれいになるわけではなく、負荷と処理能力の関係を理解する必要があります。

著者は北尾高嶺氏、283ページの単行本で、2003年に刊行されています。4冊の中ではページ数が多く、総合入門の次に読む専門書として位置づけられます。

設備の運転管理や水質変動を理解したい人には、こちらがおすすめです。反対に、排水処理の言葉自体が初めてで、まず図解で仕組みを知りたい人には少し硬く感じる可能性があります。

参考価格は4,620円で、4冊の中では最も高めです。価格を抑えて広く学ぶ本ではなく、生物処理を担当する人が専門知識へ進むための一冊。担当業務がはっきりしている人ほど、購入する理由が明確になります。

生物学的排水処理工学
生物学的排水処理工学

めっき排水の現場

めっき工場や表面処理の現場に関わるなら、インプレスの 現場技術者のための めっき排水の処理技術 (NextPublishing)が最も主題に近い本です。4冊の中で、特定業種への焦点がはっきりしています。

めっき排水では、工程で使う薬品や金属成分などが問題になります。排水の性質が一様ではないため、単に汚れを沈めるだけでは処理が完結しません。工程と排水の関係を踏まえた理解が必要です。

著者は田熊保彦氏、森久保諭氏、榎本大佑氏、小坂幸夫氏。東京都立産業技術研究センターが監修し、2021年刊行の136ページです。刊行年が比較的新しく、現場技術者向けという立場も明確ですね。

ページ数は少なめですが、これは内容が軽いという意味ではありません。めっき排水に関係しない読者が水処理全般を学ぶには範囲が狭く、逆に担当分野が一致する人には、必要な話へ早く進める可能性があります。

参考価格は2,640円。めっきや表面処理の仕事で、排水設備の役割を知りたい人なら、総合入門よりこちらを先に読む価値があります。一般的な水処理の用語に不安がある場合は、図解入門を横に置くと理解を補いやすいでしょう。

現場技術者のための めっき排水の処理技術 (NextPublishing)
現場技術者のための めっき排水の処理技術 (NextPublishing)

図解で広く学ぶ

水処理の言葉がほとんど初めてなら、秀和システムの 図解入門 よくわかる最新水処理技術の基本と仕組み[第3版]が入り口になります。タイトルに図解入門とあり、専門書よりも全体の見通しをつかみたい人へ向いた本です。

著者は和田洋六氏、242ページの単行本で、2017年刊行の第3版です。排水処理だけでなく、水処理技術全般を広く学びたい人に適しています。工場排水の担当者が、関連する水処理の基礎語彙を増やす用途にも使えます。

図解中心の入門書は、沈殿やろ過、膜、薬品、生物処理の関係を大づかみにしたい時に役立ちます。細かな運転条件を決める本ではなく、現場で聞く言葉の意味をつかむための基礎になりますね。

一方で、めっき排水の薬品処理や生物処理の工学的な説明を深く知りたい人には、情報が広く浅く感じられるでしょう。その場合は、全体像をこの本でつかみ、専門テーマを別の一冊で掘り下げる流れが合います。

参考価格は1,650円。4冊の中で最も購入しやすい価格なので、水処理の仕事に就いたばかりの人や、まず専門書へ進めるか確かめたい人におすすめです。第3版でも刊行は2017年のため、現行の法令や設備仕様は別資料で補う必要があります。

図解入門 よくわかる最新水処理技術の基本と仕組み[第3版
図解入門 よくわかる最新水処理技術の基本と仕組み[第3版

目的別の最終結論

4冊は同じ水処理の本でも、広く学ぶ本と専門分野を深掘りする本に分かれます。工場排水を初めて学ぶ人が、いきなり生物処理工学だけに進むと、用語の前提で負担が増えるところがあります。

反対に、担当業務がめっき排水や生物処理に決まっているなら、総合入門だけでは知りたい範囲が足りません。仕事で使う処理方式が決まっている人は、専門性の高い本へ進む方が読書時間を無駄にしません。

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