菌根菌の入門書おすすめ5選

菌根菌の入門書おすすめ5選

オフ 投稿者: せせら編集部

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菌根菌の本を探してみると、植物の根と菌の関係を広く扱う本から、畑で菌を生かす技術に寄せた本まで、内容に幅があります。題名だけでは「研究の入門」なのか「栽培の実践書」なのかが見えにくいところがありますよね。

ここでは、菌根菌を初めて知る人が全体像をつかめる本、研究の広がりを読み込める本、農業とのつながりを知る本に分けて5冊を紹介します。価格は2026年9月27日時点の商品データにある参考価格で、購入時期や販売店によって変わります。

5冊の早見表

書名内容の中心ページ数参考価格
ここまでわかった菌根菌と農業ここまでわかった菌根菌と農業菌根菌の特性と農業利用1642,200円
菌根の世界菌根の世界菌根共生の総合的な解説2432,640円
もっと菌根の世界もっと菌根の世界菌根研究の多様なテーマ3522,970円
農家が教える 菌の力で肥料がいらない農業農家が教える 菌の力で肥料がいらない農業菌根菌・チッソ固定菌と農業1121,980円
生物の科学 遺伝 2026年9月号生物の科学 遺伝 2026年9月号菌根共生の進化・生態・仕組み921,980円

一冊目の入口なら、新刊の『ここまでわかった菌根菌と農業』が手に取りやすい構成です。菌根菌という生き物そのものを幅広く知りたい場合は『菌根の世界』、研究の話まで掘り下げたい場合は続編の『もっと菌根の世界』へ進むと、テーマの違いがはっきりします。

農業の実践を中心に読みたい人には、農文協の2冊がおすすめです。菌根共生を最新の学術テーマから見たい人には、雑誌『生物の科学 遺伝』の特集号があります。

『ここまでわかった菌根菌と農業』

2026年9月刊行の本書は、小八重善裕さんと千徳毅さんによる164ページの入門書です。農文協は、菌根菌の特性を知り、農業に生かすポイントを解説する本として紹介しています。初めて菌根菌を学ぶ人が、基礎と農業の接点を一冊で追える内容です。[農文協の書籍紹介](https://toretate.nbkbooks.com/9784540261244/)

菌根菌は植物の根と共生する菌類の総称です。土の中で菌糸を伸ばし、植物との間で養分などをやりとりします。ただし、「菌を入れれば作物が必ずよく育つ」という単純な話ではありません。土壌や作物との関係まで考える必要があります。

菌根菌を園芸や畑の背景知識として知りたい人には、本書がおすすめです。専門書にいきなり進むのは気後れする、という読者にも手に取りやすいでしょう。参考価格は2,200円です。

ここまでわかった菌根菌と農業
ここまでわかった菌根菌と農業

『菌根の世界』

齋藤雅典さん編著の『菌根の世界』は、2020年刊行で243ページです。アーバスキュラー菌根や外生菌根など、菌根の多様なタイプを扱い、特徴や観察方法、農林業での利用や研究成果を紹介します。出版社も「多様な菌根の世界を総合的に解説」する本として案内しています。[築地書館の書籍紹介](https://www.tsukiji-shokan.co.jp/mokuroku/ISBN978-4-8067-1606-8.html)

菌根菌といえば、野菜や花の根を助ける菌というイメージを持つ人も多いでしょう。本書を読むと、森林の樹木やランなど植物の種類によって、菌との関係が大きく異なると分かります。菌根を農業の資材としてだけでなく、生態系の一部として理解したい人におすすめです。

本書は専門家による章立てです。気になる菌根のタイプや植物の章から読む方法もあります。観察手法や研究の話にも触れているため、入門書からもう一段進んだ知識を得たい人におすすめです。参考価格は2,640円です。

『もっと菌根の世界』

『菌根の世界』の続編にあたる本書は、2023年刊行で352ページ。編者は前作と同じ齋藤雅典さんです。研究者12名が全10章とコラムで、菌根をさまざまな角度から取り上げています。出版社によると、前作とは異なる視点から菌と植物の関係を描く構成です。[築地書館の書籍紹介](https://www.tsukiji-shokan.co.jp/mokuroku/ISBN978-4-8067-1655-6.html)

植物が菌から養分を受け取る関係に加え、菌が植物に寄生するような関係や、菌と植物の間の駆け引きも扱います。「共生」という言葉から、いつも双方に同じ利益がある様子を想像していると、関係の複雑さに驚くかもしれません。

ページ数は今回の5冊で最も多く、価格も2,970円と高めです。そのぶん菌根研究の広がりにじっくり触れられます。『菌根の世界』を読んで、さらに多様な事例や研究の最前線を知りたくなった人におすすめです。

もっと菌根の世界
もっと菌根の世界

菌の力で肥料がいらない農業

農文協編の112ページの実践寄りの一冊です。タイトルのとおり、菌根菌だけでなくチッソ固定菌にも触れ、菌の働きを農業に生かすワザを扱います。出版社は「無肥料で作物が育つ仕組み」を紹介する本として案内しています。[農文協の農業書一覧](https://toretate.nbkbooks.com/index01ag.html)

菌根菌の専門書というより、土の中の菌と肥料、作物栽培の関係を現場側から知る本です。菌根菌の種類や生態を体系的に学ぶことが主目的なら、築地書館の2冊のほうが中心テーマに近いでしょう。一方、畑で菌を生かす考え方や農家の工夫に関心がある人には、こちらが読み進めやすい入口になります。

「肥料がいらない」という書名は印象的ですが、どんな作物や土でも肥料を不要にできるという意味ではありません。栽培結果は土壌や作物、管理条件によって変わります。菌と農業技術の関係を知る実用書として読み、個々の栽培条件とは分けて考えましょう。参考価格は1,980円です。

農家が教える 菌の力で肥料がいらない農業
農家が教える 菌の力で肥料がいらない農業

『生物の科学 遺伝』9月号

この号は「地球の緑を支える菌根共生」を特集し、進化と生態、共生メカニズムを取り上げています。発行元のNTS掲載情報には、ラン型菌根菌の共生の起源と進化、菌根共生による植物と土壌のフィードバック、外生菌根菌などのテーマが並びます。92ページの雑誌なので、単行本を一冊読み込むより、最新の研究テーマを特集単位で知りたい人向けです。[NTSの商品情報](https://www.nts-book.net/view/item/000000002144?category_page_id=ct54)

内容は一般向けの栽培手順というより、研究者による解説を通して菌根共生を捉えるものです。菌根菌の存在を知ったばかりで、まず農業での活用法を知りたい場合は、農文協の本のほうが目的に近いでしょう。生態や進化から菌根共生の重要性を学びたい人には、この特集号がおすすめです。

参考価格は1,980円。専門用語が出てくる記事も含まれます。読みやすさを最優先する一冊というより、研究の話題に触れるための本です。総合的な入門書を読んだあとに、関心のあるテーマを掘り下げる資料としても役立ちます。

生物の科学 遺伝 2026年9月号
生物の科学 遺伝 2026年9月号

結論

菌根菌を初めて知る人には、農業との接点も追える『ここまでわかった菌根菌と農業』がおすすめです。菌根の種類や植物との関係を広く学ぶなら『菌根の世界』、研究の多様さまで読み込みたいなら『もっと菌根の世界』を選んでください。

畑での菌の働きや農家の工夫を知りたい人には『農家が教える 菌の力で肥料がいらない農業』がおすすめです。進化・生態・共生メカニズムの研究テーマに触れたい人には『生物の科学 遺伝』2026年9月号をおすすめします。まず知りたいのが「菌根菌そのもの」か「農業での生かし方」かを決めると、5冊のうち読む本は自然に絞れます。

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