
草刈り用イヤーマフおすすめ|遮音性能・蒸れにくさ・装備との相性
草刈機を動かしている間は耳のすぐ近くで大きな音が続くため、遮音性能の表示を見ても、どれが草刈りに適するのか迷うところです。
ただ、数字が最大の製品でも、周りの声や合図が聞こえにくくなったり、夏場の蒸れや重さで途中で外したくなったりすることがあります。
必要な遮音を確保しながら、暑い日でも着け続けられるか。ヘルメットや保護めがね、フェイスシールドと無理なく組み合わせられるか。確認するのは、草刈機の耳元騒音、着け続けられる重さ、ほかの保護具との干渉です。
目次
草刈り用イヤーマフ4タイプの違い
遮音性能が最大のイヤーマフに決めるのではなく、草刈機の耳元騒音、ヘルメットの有無、作業時間を合わせて選びましょう。
ヘルメットを使わず遮音とカップの薄さを両立したいなら3M PELTOR X4A、測定でさらに遮音が必要ならX5A、必要な遮音を満たしたうえで軽さが欲しいならTOYO No.3000、ヘルメット着用が前提ならNo.3225Fがおすすめです。
| 使う条件 | 商品 | 表示遮音値 | 重量の目安 | 購入前の確認 |
|---|---|---|---|---|
| ヘルメットなしで遮音と薄さを両立 | 3M PELTOR X4A | NRR 27dB | 約234g | 保護めがねを着けた状態の密閉 |
| 測定上、さらに大きな遮音が必要 | 3M PELTOR X5A | NRR 31dB | 約351g | 厚いカップと周囲音の聞こえ方 |
| 必要な遮音を満たし、軽さを重視 | TOYO SAFETY No.3000 | SNR 25dB | 約148g | 作業中の騒音に足りる遮音か |
| ヘルメット着用が前提 | TOYO SAFETY No.3225F | SNR 22dB | 約567g(セット全体) | 保護めがねと顔面保護の追加 |
X4Aの仕様は、下のカードで確認できます。

NRR・SNR・JISは同じ数字として比べない
イヤーマフにはNRRやSNRといった遮音性能が書かれていますが、試験方法と計算方法が違うため、NRR 27dBとSNR 25dBをそのまま比べて優劣を決めることはできません。
| 表示 | 分かること | 購入時の使い方 |
|---|---|---|
| JIS T 8161-1 | 周波数ごとの遮音値を測る方法 | 日本向け製品の試験根拠を確認 |
| JIS T 8161-2 | 着用後の耳元の音を推定する方法 | 作業音と保護具の組み合わせを確認 |
| SNR | 欧州・ISO系の単一数評価値 | 同じ試験体系の製品間で比較 |
| NRR | 米国の単一数評価値 | 同じNRR表示の製品間で比較 |
| H・M・L | 高音・中音・低音の遮音値 | エンジン音を含む低音域はL値も確認 |
表示値は実験室で測った値であり、髪の毛やメガネのつるがイヤーカップに挟まったり、クッションが硬化・位置ずれしたりすると実際の遮音は下がります。草刈機の耳元騒音からNRRやSNRを単純に引かず、仕事で使う場合は測定とフィット確認まで行ってください。
草刈機の耳元騒音は機種と刈刃で変わる
草刈機の音は、エンジン式なら大きく、バッテリー式なら小さいと一括りにできません。メーカー公表の耳元騒音レベルは、エンジン式のハスクバーナ226RSが93dB(A)、バッテリー式の520iRXが76.1dB(A)ですが、どちらも各機種の公式値で、すべての草刈機には当てはまりません。
バッテリー式の535iFRでも、取扱説明書の値は純正ナイロンカッター装着時が83dB(A)、3枚刃装着時が93dB(A)で、同じ本体でも刈刃によって差が出るため、動力方式だけで騒音を判断しないでください。
イヤーマフを買う前に、使っている型番の取扱説明書で「耳元騒音レベル」や「使用者の耳における騒音レベル」を確認し、仕事で使う場合や刃物・回転数・作業場所が変わる場合は、実際の作業条件で騒音を測ってください。
作業中の会話と警告音を消しすぎない
イヤーマフは耳を守るために必要ですが、遮音が強いほど安全になるとは限らず、厚生労働省も周囲の音や会話を聞く必要がある危険作業では必要以上に大きな遮音値を選ばないよう案内しています。
刈払機を使っている人は遠くから声をかけられても気づかないことがあり、後ろから近づいて肩をたたくと、振り向いた時に回転中の刃が近づいた人へ向く危険があります。作業前に手や旗などの合図を決め、作業者が機械を停止して刃の回転が止まってから会話してください。
声を聞くために片側のカップを浮かせたり、イヤーマフを首へずらしたまま草を刈ったりする使い方は避けます。装着を直す時や蒸れを逃がす時も、先にエンジンやモーターを止め、安全な場所へ移動してから外してください。
夏の蒸れは軽さ・休憩・クッション管理で減らす
イヤーマフは耳の周りをクッションで密閉するため、夏の屋外でまったく蒸れない製品はなく、軽いモデルでも耳を覆う部分の熱や湿気までなくなるわけではありません。
頭頂部が開いたヘッドバンドは頭の上に熱がこもる感覚を減らす助けになりますが、カップの中は密閉されるため、実際の作業時間を想定して締め付けと汗の量を確かめましょう。
蒸れてきても、運転中に片側だけ外すのは避けます。エンジンやモーターを止め、刃の回転が止まってから安全な場所で休憩し、耳とクッションの汗を拭いてください。
ヘルメット使用時は一体型か対応取付式を選ぶ
頭上の枝や落下物に備えてヘルメットを着ける場合、一般的なヘッドバンド式イヤーマフは組み合わせにくく、バンドをヘルメットの上へ無理に重ねるとカップが耳から浮いて遮音性能も下がります。
ヘルメット取付式はイヤーマフのメーカー名だけでは判断できないため、ヘルメット側の取付スロット、必要なアダプター、メーカーが示す対応型番まで確認してください。形が似ていても、差し込み幅や固定方法が合わない製品があります。
ヘルメット着用が前提なら、専用ヘルメットとイヤーマフが組み合わされたTOYO No.3225Fのような一体型がおすすめですが、草刈りでは保護めがねやフェイスシールドも別に必要です。
保護めがねとフェイスシールドで密閉を崩さない
イヤーマフのクッションと顔の間にメガネのつるが入ると隙間ができるため、特につるが太い保護めがねでは、耳全体がカップ内に収まり、クッションが頭へ一周触れているか確認が必要です。
フェイスシールドのバンドがイヤーマフのヘッドバンドと重なる場合は、どちらかが斜めになったり、首を動かした時にカップが浮いたりするため、ヘルメットを含めた対応品か一体型へ替える必要があります。
試着する時はイヤーマフ単体ではなく、ヘルメット、保護めがね、フェイスシールドまで普段の順番で着け、顔を左右へ向けたり上や足元を見たりしてもカップがずれないか確かめてください。メッシュシールドを使う場合も、細かな飛散物から目を守る保護めがねは省略しません。
草刈り用イヤーマフ4製品の使い分け
4製品は、草刈機の騒音と併用装備によって向く場面が異なります。必要な遮音を満たしたうえで、重さと周囲音の聞こえ方を確かめましょう。
3M PELTOR X4Aは遮音と薄さのバランス型
ヘルメットを使わず、遮音性能とカップの薄さを両立したい人にはX4Aがおすすめです。表示はNRR 27dB、重量は約234gで、X5Aよりカップが薄く、保護めがねやフェイスシールドと組み合わせる時も頭の横が張り出しにくい形です。
測定でさらに大きな遮音が必要ならX5A、ヘルメット着用が欠かせないなら取付式または一体型を選び、購入前に普段の保護めがねを着けた状態でクッションが一周密着するか確認してください。

3M PELTOR X5Aはさらに遮音が必要な作業向け
作業場所で騒音を測り、X4Aより大きな遮音が必要だと分かった場合はX5Aがおすすめです。表示はNRR 31dB、重量は約351gで、厚いカップを使った高遮音モデルです。
騒音が比較的小さい作業では周囲の声や合図を消しすぎることがあるため、首を左右へ動かした時に厚いカップがフェイスシールドや肩へ当たらないか、必要以上の遮音にならないかを確認してください。

TOYO No.3000は必要な遮音を満たせる軽量モデル
暑い時期や短時間の作業で、頭と首にかかる重さを減らしたい人にはNo.3000がおすすめです。JIS T 8161-1に基づくSNRは25dB、重量は約148gで、4製品の中では最も軽いモデルです。
軽くても作業中の騒音に必要な遮音が足りない場合は使わず、NRR表示のX4AやX5Aと数字だけを比べずに、使用する草刈機の耳元騒音とNo.3000の周波数別遮音値を確認してください。

TOYO No.3225Fはヘルメット着用が前提の作業向け
頭上の枝や落下物に備えてヘルメットを着けるなら、No.3225Fの一体構成がおすすめです。専用ヘルメットNo.3220FとイヤーマフNo.3205のセットで、No.3205はJIS T 8161-1に基づくSNR 22dB、セット全体の重量は約567gです。
このセットだけでは目と顔を守れないため、草刈りでは保護めがねやフェイスシールドを併用し、SNR 22dBで必要な遮音を満たすか、ヘルメットのサイズが頭に合うか、顔面保護具まで着けてもイヤーカップが浮かないかを購入前に確認してください。

装着前に髪・メガネ・クッションを確認する
イヤーマフはカップの中に両耳が完全に収まる位置へ合わせ、耳の端が折れたり、髪の毛やメガネのつるがクッションに挟まったりすると隙間ができるため、装着確認は草刈りで使う保護具をすべて着けた状態で行います。
- ヘッドバンドの長さを調整し、左右のカップを耳の高さへ合わせる
- 耳の周りの髪をクッションの外へ出し、メガネのつるをまっすぐ通す
- クッションが頭へ一周触れ、左右に目立つ隙間がないか確かめる
- 顔を左右へ向け、上と足元を見てもカップが浮かないか確かめる
締め付けが強くて長く着けられない場合や、ヘルメットやフェイスシールドを動かすたびに隙間ができる場合は、別の形や対応一体型が必要です。作業中にずれた時は手で押さえながら続けず、機械を止め、刃の回転が止まってから装着を直してください。
使用後は汗を拭きクッションの傷みを点検する
草刈りが終わったらクッションやヘッドバンドに残った汗を拭き取り、湿ったまま収納せず、乾いてから保管するのが基本です。
手入れのたびに、クッションの硬化、表面のひび、戻らない変形を確かめ、吸音材のずれやカップの割れも点検してください。
交換時期は、使っている製品の説明書に従います。3Mやハスクバーナには衛生部品を約6か月ごとに交換する案内がありますが、これは一律の期限ではありません。暑く湿った場所で頻繁に使う場合や、ひび・硬化・変形が見つかった場合は、6か月を待たずに対応部品へ交換してください。
イヤーマフだけで草刈りの安全装備は完結しない
イヤーマフが守るのは耳だけです。飛散物や刈刃との接触に備えてヘルメット、保護めがね、フェイスシールド、防振手袋、安全靴、すね当ても着用し、メッシュ式のフェイスシールドを使う場合も保護めがねは省かないでください。
騒音対策では、刈刃や機械の選択、点検・整備で騒音源を抑え、作業時間と休憩を管理し、複数人なら交代することで一人あたりの騒音ばく露を減らせます。
100dBA以上の騒音や衝撃音が想定される場面では、NIOSHは耳栓とイヤーマフの二重保護を案内していますが、両者のNRRやSNRを自己流で足しても実際の遮音量にはなりません。周囲の警告音が聞こえにくくなる危険もあるため、耳元騒音の測定とフィットテストを行い、安全衛生の担当者や専門家へ相談してください。
草刈り用イヤーマフの選び方まとめ
草刈り用イヤーマフは遮音値の大きさだけで決めず、使用する草刈機の耳元騒音を確かめ、必要な遮音を満たす製品の重さ、蒸れによる負担、ヘルメットなどとの相性を比べましょう。
| タイプ | 製品 | 向いている使い方 | 購入前の確認 |
|---|---|---|---|
| 標準 | 3M PELTOR X4A | 遮音とカップの薄さを両立したい | ヘルメットや保護めがねと干渉しないか |
| 高遮音 | 3M PELTOR X5A | 測定結果から、より大きな遮音が必要 | 重さ・厚さ・警告音の聞こえ方に問題がないか |
| 軽量 | TOYO SAFETY No.3000 | 必要な遮音を満たしつつ頭や首の負担を抑えたい | SNR 25dBで作業時の騒音に対応できるか |
| ヘルメット一体型 | TOYO SAFETY No.3225F | ヘルメット着用が欠かせない作業 | SNR 22dBで足りるか、顔面保護具を併用できるか |
迷ったときに比べるのは、耳元騒音、作業の最後まで着け続けられる負担、ほかの安全装備との相性の3点です。高遮音モデルでも、カップを浮かせて使うほど重い、暑い、装備に当たるという状態では耳を十分に守れません。
仕事で草刈りをする場合や騒音値が分からない場合は、製品の表示値だけで判断せず、作業場所で測定して必要な遮音を確認したうえで、耳の周りを密閉したまま作業を続けられる製品を選んでください。
草刈り用イヤーマフのよくある質問
ノイズキャンセリングヘッドホンで代用できる?
一般のANCヘッドホンでは代用できません。聴覚保護具としてNRRなどの遮音値が表示されている製品でない限り、草刈り用の保護具には使わず、規格と遮音値が示されたイヤーマフか耳栓を選んでください。
耳栓とイヤーマフは一緒に着けてよい?
いつでも併用するものではなく、100dBA以上の騒音や衝撃音がある場面では、NIOSHが耳栓とイヤーマフの二重保護を案内しています。ただし、両者のNRRやSNRを足した数字が実際の遮音量になるわけではありません。職場では騒音測定とフィットテストを行い、安全衛生の担当者や専門家に組み合わせを確認してください。
仕事の草刈りは取扱説明書の騒音値だけで選べる?
取扱説明書の値だけでは足りません。刃物、回転数、作業場所、作業時間によって騒音ばく露が変わるため、事業者は定点測定または個人ばく露測定とフィット確認を行い、その結果を騒音源低減、作業時間管理、聴覚保護具の選定へ反映させる必要があります。
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