古典音律の入門書おすすめ4選|基礎から専門書まで

古典音律の入門書おすすめ4選|基礎から専門書まで

オフ 投稿者: せせら編集部

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古典音律に興味を持つと、「平均律と何が違うのか」「バッハはどんな響きを想定していたのか」と、気になることが次々出てきます。音律の本は専門的なものも多く、最初の一冊で迷いますよね。

今回の4冊は、音の仕組みを科学から眺める本、バッハやウィーン古典派の時代に焦点を当てる本、当時の音楽思想を原典で読む本に分かれます。扱う時代も、音律を学ぶ切り口も本ごとに違います。

音律の全体像をつかみたい人にも、古楽や歴史資料を深く読みたい人にも、関心に合う本を紹介します。価格は商品データの参考価格で、いずれも2026年9月27日時点のAmazon価格です。時期によって変わります。

4冊の早見表

書名主な内容ページ数参考価格
音律と音階の科学 新装版音律と音階の科学 新装版音律・音階2721,100円
音律について 上巻音律について 上巻バッハとその時代1403,960円
音律について 下巻音律について 下巻ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン2223,960円
音楽の逆説的談話音楽の逆説的談話1707年の著作、全訳と解説2323,520円

入門のしやすさを重視するなら、小方厚『音律と音階の科学』が候補です。作曲家ごとに音律の歴史を追いたい人には、ケレタートの上下巻が中心になります。

ヴェルクマイスターの本は現代向けの概説書とは性格が異なり、18世紀初頭の原著を訳注と解説付きで読む資料です。音律に加えて、当時の音楽観や宗教思想にも関心がある人向けです。

音律を知る意味

ピアノの同じ鍵盤を押しても、調律の考え方が違えば、音同士の間隔や和音の響き方が変わります。音律は、音階を作る音の関係をどう整えるかという仕組みです。

現代の鍵盤楽器でよく使われる平均律は、オクターブを12の半音に均等に分けます。一方、歴史上の音律は、どの音程や和音をより協和させるか、その配分に違いがありました。

古典音律に絶対的な優劣はありません。昔の音律が必ず美しいとも、平均律より正しいとも限らず、調や楽器、演奏する曲によって響きも使い勝手も変わります。

古典音律を学ぶ本も、扱う問いはさまざまです。音の比率や音階の成り立ちを知る本と、特定の時代の音楽を考える本では、焦点が異なります。

音律と音階の科学

音律を初めて学ぶ人には小方厚『音律と音階の科学 新装版』がおすすめです。

新書で272ページ。4冊のなかでは参考価格が1,100円と抑えられており、まず一冊読んで関心の方向を確かめたい人にも現実的です。

「バッハが使った調律法を特定したい」といった個別の歴史研究を、この本だけで完結させるタイプではありません。最初に全体の基礎をつかみ、その後に作曲家や原典を扱う本へ進む出発点になります。

音律と音階の科学 新装版
音律と音階の科学 新装版

音律について 上巻

ヘルベルト・ケレタート著、竹内ふみ子訳の『音律について 上巻 バッハとその時代』は、題名のとおりバッハと時代背景に焦点を当てた専門書です。

140ページと比較的コンパクトです。ただ、ページ数だけで気軽な読み物と判断するのは早計。初めての一冊というより、バッハと古典音律への関心がはっきりしている人におすすめです。

参考価格は3,960円。科学的な基礎を広く知ることより、バッハの時代を深く読みたい場合に価値が出る本です。下巻と同じシリーズで、こちらはバッハとその時代を扱います。

音律について 上巻
音律について 上巻

音律について 下巻

『音律について 下巻』の副題は「ウィーン古典派 ハイドン・モーツァルト・ベートーヴェン」です。

上巻がバッハの時代を扱うのに対し、下巻ではハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンを扱います。

222ページで、上巻より分量があります。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの作品を普段から聴く人や、演奏・研究の文脈で歴史的な音律を知りたい人なら、題材が関心に近いか判断しやすいでしょう。

こちらも参考価格は3,960円です。上下巻で扱う時代が異なるため、古典派の音楽を主に掘り下げたい人には、下巻から読む理由もはっきりしています。

音律について 下巻
音律について 下巻

音楽の逆説的談話

『ヴェルクマイスター「音楽の逆説的談話」(1707年)』は、アンドレアス・ヴェルクマイスターの著作を全訳し、解説を加えた本です。

232ページで、参考価格は3,520円。全訳を読み進めるには歴史や音楽思想への関心が必要ですが、原典を通してヴェルクマイスター本人の論理に触れたい人には、他の3冊では得にくい資料性があります。

「音律の基本を手早く知りたい」という目的には遠回りです。数学・音楽理論の入門を求めている段階なら小方厚の本から始め、原典や当時の思想まで追いたくなったところで本書に進むと、読む意味がつかめます。

音楽の逆説的談話
音楽の逆説的談話

結論

音律の基礎を初めて学ぶなら、小方厚『音律と音階の科学 新装版』がおすすめです。音階の成り立ちや音律の変遷を広く理解でき、4冊のなかで価格も手に取りやすい水準です。

バッハ中心ならケレタート上巻、ハイドン・モーツァルト・ベートーヴェン中心なら下巻。ヴェルクマイスターの思想と1707年の音楽論まで読みたい人には、『音楽の逆説的談話』が応えてくれます。

古典音律の入口として一冊だけ買うなら科学の本。関心のある作曲家や原典が決まっているなら、該当する専門書へ進みましょう。自分の疑問に合う本を選べば、音律は用語の暗記にとどまらず、音楽の聴き方を変える手がかりになります。

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