
Kett FD-720赤外線水分計の選び方|測定モード・試料量・消耗品を確認
食品や原料の水分管理で、Kett FD-720を検討している方もいるのではないでしょうか。試料と合うかは、購入前に決めたいですよね。
FD-720は試料を加熱して水分を測ります。購入前に決めるのは、乾かし方、必要なシート、書類です。
この記事では、FD-720が合う条件、乾燥モード、試料量と消耗品を解説していきます。
FD-720を選ぶ人
粉、液体、ねばりのある原料で乾かし方を変えるなら、FD-720が候補です。試料ごとに乾かし方を変えられるのが強み。
- 最初だけ強く熱をかけて、測定時間を短くしたい
- ゆっくり温度を上げて、表面が焦げるのを防ぎたい
- 温度と時間を段階ごとに変えたい
- 試料ごとの乾燥条件を10種類まで登録したい
試料は0.5〜120gです。質量は0.001g単位で表示します。薄く広げて測る運用で力を発揮します。

同じ原料を同じ条件で測るだけなら、FD-720の機能を使い切れません。次の比較で、必要な機能を持つ機種を選んでください。
Kett水分計の違い
機種を分けるのは、試料量と乾かし方です。まずは3機種の違いを見てください。
| 機種 | 向く人 | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
| FD-660 | 決まった条件で測る人 | 試料は1〜80g。自動停止と時間で終える測定に絞れます。 |
| FD-720 | 原料ごとに乾かし方を変える人 | 試料は0.5〜120g。6種類の測定モードと10種類の条件保存を使えます。 |
| FD-800 | 0.5g未満の試料も測る人 | 試料は0.1〜120g。試料皿の上の温度も見ながら、100種類の条件を保存できます。 |
試料ごとに熱のかけ方を変えるなら、FD-720がおすすめです。急速・緩速・ステップ乾燥を使い分けられます。
0.5g未満の少量試料や温度管理が必要なら、FD-800がおすすめです。乾かし方を変えないなら、FD-660で足ります。
FD-720の乾燥モード
乾燥モードは、試料の乾き方に合わせます。測定担当者は、乾きやすい粉と焦げやすい液体に同じ設定を使いません。
- 自動停止:水分の変化が小さくなったら終える。普段の測定に使います。
- 時間停止:決めた時間で終える。社内で時間をそろえたい試料に向きます。
- 急速乾燥:最初だけ強く熱をかける。水分が多い試料を早く乾かしたいときに使います。
- 緩速乾燥:ゆっくり温度を上げる。飲むヨーグルトのように表面に膜が張りやすい試料に向きます。
- ステップ乾燥:温度と時間を段階ごとに変える。飴やキャラメルのように溶けたり焦げたりする試料に使います。
- 予測測定:乾燥途中の変化から最終の水分を早く出す。同じ試料で通常測定と値がそろってから使います。
最初は自動停止か時間停止から始めます。焦げや膜、乾きの止まり方が見えたら、モードを変える合図。
FD-720は、加熱前後の重さの差から水分値を出します。水以外も失われる試料では、値がずれます。
FD-720の試料量
FD-720の試料量は0.5〜120gです。選ぶ量は、薄く平らに広げられる範囲です。
- 5g以上:メーカー条件と標準試料で、再現性の値が示されている量です。
- 10g以上:同じ条件では、より小さい再現性の値が示されています。
- 液体や粘りのある試料:少量を薄く広げます。量を増やすと乾燥時間も延びます。
- 羽毛など軽い試料:0.5gから測れますが、1g以上を取ると試料全体を反映しやすくなります。
0.5gは測定できる下限です。ただし、代表性や再現性を確保する量とは別物。
実試料で必要な量は、代表性と再現性を見ながら決めます。
ご飯や粘りのある原料を塊のまま置くと、表面だけが先に乾きます。細かくするか薄く延ばします。
FD-720の消耗品
アルミシートは20枚付属します。測定を続ける場合は、補充分が必要です。
- 乾いた粉や粒の試料:アルミシートを使います。測定回数が多い場合は、補充分が必要です。
- 液体・粘性物:薄く広げにくい場合、グラスファイバーシートを使います。
- 飴・キャラメル:こびりつきやすい場合、2種類のシートを使います。
- 羽毛など軽い繊維状の試料:アミ付き試料皿や羽毛測定用ネットを使います。
グラスファイバーシートは、一律で必要な物ではありません。シートの要否は、広がり方とこびりつきで決まります。


補充用は、FD-720対応かつ直径130mmの物を購入してください。見た目だけで選ばないでください。
FD-720の校正書類
提出や監査で書類が要る場合があります。品質管理の記録を外部へ出すなら、書類付きFD-720がおすすめです。
- 校正証明書:どの機器を、いつ確認したかを示す書類です。
- 校正成績書:どの測定点で確認し、どんな結果だったかを示す書類です。
- トレーサビリティ体系図:測定の基準が、上位の基準へどうつながるかを示す図です。
校正書類は、測定器がどの基準で確認されたかを示す物です。必要な種類と書式は、提出先の要件で決まります。

提出先が求める対象機器、校正日、測定点、宛名をそろえてください。試料の加熱可否は、書類とは別に確認が必要です。
FD-720で加熱不可な試料
FD-720は試料を加熱して水分を測る機器です。加熱時に危険がある試料は測れません。
- 爆発や発火のおそれがある試料
- 有害な物質が発生する試料
- 加熱で危険な化学反応を起こす試料
- 加熱したときの性質が分からない試料
- 表面が先に乾き、内部の圧力が上がって破裂するおそれがある試料
FW-100は風の影響と臭気を抑える用品です。危険な試料を加熱できるようにはしません。
試料の性質が不明なら、安全データシート(SDS)で加熱時の危険を確認してください。社内の安全管理担当者にも相談が必要です。
QA
FD-720は固形分も表示?
FD-720は、水分率のほか固形分と質量も表示できます。
報告値は、湿量基準・乾量基準も含めて社内の記録方法とそろえてください。
FD-720の記録保存数
本体に保存できる測定データは100件です。
測定担当者が記録を残すには、RS-232C出力と対応プリンタ、またはデータ管理ソフトを使います。
FD-720の購入判断
食品、液体、粉、繊維を扱い、乾かし方を変える現場にはFD-720が候補です。急速・緩速・ステップ乾燥を使い分けられる点が決め手。
- FD-720:試料ごとに温度や乾かし方を変える人向けです。
- FD-660:測る原料と乾燥条件が決まっている人向けです。
- FD-800:0.5g未満の少量試料や、試料皿の温度管理が必要な人向けです。
試料を安全に加熱できるかは、購入前の確認事項です。シートと書類は、試料や提出先の条件で決まります。
条件がそろうなら、FD-720がおすすめです。条件を変えない測定なら、FD-660で十分。
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