プリント基板設計の本おすすめ9選|初心者向けからKiCad・EMCまで

プリント基板設計の本おすすめ9選|初心者向けからKiCad・EMCまで

オフ 投稿者: せせら編集部

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プリント基板設計の本は、回路の基礎を知りたい人向けと、CADを実際に動かしたい人向けで内容が大きく違います。タイトルだけで選ぶと、読み始めてから難しすぎることがありますよね。

初めて基板に触れるなら、専門用語を一から確認できる本が読みやすいです。すでに回路図やCADに慣れているなら、KiCadやEMCなど目的を絞った本へ進む方が時間を使いません。

RF回路やEMC設計を初めて学ぶ本から専門書まで、用途別に9冊を紹介します。価格は2026年9月26日時点の参考価格で、販売時期によって変わります。

9冊の早見表

9冊は、基礎の説明からCAD操作、RFやEMCまで扱う範囲がかなり違います。ページ数が少ない本は入口の理解に向き、300ページ前後の本はソフト操作や専門分野まで読み込みたい人向けです。

書名向く読者ページ数参考価格
トコトンやさしいプリント配線板の本 第2版トコトンやさしいプリント配線板の本 第2版基礎から知りたい人1601,650円
回路図の描き方から始める基板設計&製作入門回路図の描き方から始める基板設計&製作入門回路図から進みたい人2082,640円
技術者のためのプリント基板設計入門技術者のためのプリント基板設計入門設計と実装を広く学ぶ人2312,420円
定番プリント基板設計 KiCad入門定番プリント基板設計 KiCad入門KiCadを使う人3363,300円
KiCad×LTspiceで始める本格基板設計KiCad×LTspiceで始める本格基板設計KiCadとLTspiceを使う人1762,640円
Design Spark PCBプリント基板CADの使い方Design Spark PCBプリント基板CADの使い方Design Spark PCBを使う人1914,086円
部品内蔵基板設計部品内蔵基板設計小型化や高性能化を学ぶ人2684,620円
PCBを用いたRFマイクロ波回路の基礎PCBを用いたRFマイクロ波回路の基礎RF回路を学ぶ人2593,410円
プリント配線板のEMC設計プリント配線板のEMC設計EMC設計を深く学ぶ人38027,500円

初心者がいきなり専門書へ進むと、基板の層構成や実装の話だけで負担が大きくなります。最初の一冊は、知識を広げる本か、使うCADを決めて操作へ入る本にすると読み切りやすいでしょう。

やさしく入る一冊

『トコトンやさしいプリント配線板の本 第2版』は、プリント配線板そのものを知らない人が最初に読む本です。160ページと分量が抑えられ、タイトルにも「トコトンやさしい」とあります。

著者は髙木清、大久保利一、山内仁の3名。2018年刊行の第2版です。回路設計の細かい操作より、プリント配線板の全体像をつかむ入口として考えるとよいでしょう。

参考価格は1,650円です。電子回路を学び始めた学生や、部品を基板へ載せる理由から知りたい人には、この価格とページ数の軽さが魅力になります。まず一冊だけ買うなら、この本から始めるのがおすすめです。

トコトンやさしいプリント配線板の本 第2版
トコトンやさしいプリント配線板の本 第2版

回路図から学ぶ本

『TRSP No.148 回路図の描き方から始めるプリント基板設計&製作入門』は、回路図から基板設計へ進みたい人におすすめです。タイトルに出発点が明記されているため、回路図と基板のつながりを意識して読みたい人に適します。

208ページあり、入門書としては説明量も確保されています。単に基板の用語を覚えるだけでなく、回路図を描いた後に基板へ進む流れを知りたい人には、最初の本より実作業へ近い内容でしょう。

CQ出版のトランジスタ技術SPECIALとして2020年に刊行され、参考価格は2,640円です。回路図を見ても部品同士の関係がまだつかみにくい人は、この本から始めると次の作業を想像しやすくなります。

回路図の描き方から始める基板設計&製作入門
回路図の描き方から始める基板設計&製作入門

技術者向けの本

『技術者のためのプリント基板設計入門』は、PCBCAD時代のプリント基板作成と実装を広く扱う本です。タイトルに「設計」「作成」「実装」が並ぶため、基板を作って終わりにせず、組み立てまで見渡したい人向けです。

231ページで、基礎だけを短く読む本より情報量があります。回路図の描き方だけでなく、基板を製作し、部品を実装する段階まで関心があるなら、初心者向けの次に読む本として置きやすい一冊です。

2005年刊行で、参考価格は2,420円。古い本なので、現在のCAD画面や製造サービスの手順をそのまま期待する本ではありません。設計や実装の考え方を学ぶ本として、ソフト操作の本と役割を分けて使うのがおすすめです。

技術者のためのプリント基板設計入門
技術者のためのプリント基板設計入門

KiCadを始める本

KiCadを使って基板を作るなら、『定番プリント基板設計 KiCad入門』がおすすめです。タイトルがKiCad入門に絞られており、336ページあるため、基礎用語からソフト操作へ進みたい人に適しています。

2025年4月刊行で、今回の9冊では比較的新しい本です。CADの画面や操作を確認しながら作業したい人には、古い設計論だけを読むより、現在のKiCadへ近い情報を得やすいでしょう。

参考価格は3,300円。KiCadを使う予定があり、基板設計を実際に進めたいなら、この本に予算を置く価値があります。回路の知識がほとんどない人は、前に紹介したやさしい本を読んでから進むと負担が軽くなります。

定番プリント基板設計 KiCad入門
定番プリント基板設計 KiCad入門

KiCadとLTspice

『KiCad×LTspiceで始める本格プリント基板設計』は、KiCadとLTspiceを使いたい人向けです。回路を考える段階と、基板へ落とし込む段階を一冊でつなげたい人におすすめです。

176ページで、KiCad入門より短い構成です。その分、基板設計を広く網羅する本というより、タイトルにある2つのソフトを使う流れへ早く入りたい人向けです。付属品にDVDがある点も特徴です。

2018年刊行で、参考価格は2,640円です。すでに回路図の基本を知っていて、回路の検討から基板設計へ進みたい人なら、単純な用語解説より実践寄りの一冊として使えます。

KiCad×LTspiceで始める本格基板設計
KiCad×LTspiceで始める本格基板設計

DesignSpark本

『Design Spark PCBプリント基板CADの使い方』は、Design Spark PCBを使い、MIDI基板の製作を例に設計と作成の基礎を学ぶ本です。CAD名と具体的な製作例がタイトルに入っています。

191ページなので、336ページのKiCad本ほど大部ではありません。Design Spark PCBを使う予定が決まっている人なら、ソフトを別のCADへ読み替えるより、この本をそのまま参照する方が作業を進めやすいでしょう。

2016年刊行で、参考価格は4,086円です。9冊の中ではページ数に対する価格が高めなので、使うCADがDesign Spark PCBと決まっていない人にはすすめません。MIDI基板の製作例に関心がある人向けです。

Design Spark PCBプリント基板CADの使い方
Design Spark PCBプリント基板CADの使い方

部品内蔵基板の本

『電子機器の小型化・高性能化のための部品内蔵基板設計』は、通常の入門書とは目的が違います。部品を基板の内部へ組み込む設計を扱う、専門性の高い本です。

268ページあり、著者と編集はいずれも加藤義尚です。電子機器を小さくしたい、高性能化のために基板内部の構造まで知りたいという人には、一般的なCAD入門から先へ進む資料になります。

2021年刊行で、参考価格は4,620円です。初めて基板を学ぶ人が最初に買う本ではありません。基板の基本を知った後、製品の小型化を担当する人が読む一冊です。

部品内蔵基板設計
部品内蔵基板設計

RF基板の専門書

『PCBを用いたRFマイクロ波回路の基礎』は、RFやマイクロ波回路をプリント基板で扱う人向けです。

259ページで、伊藤康之氏の著書です。タイトルからも専門分野が明確なので、電子工作の基板を初めて作る人には難しく感じるでしょう。無線通信や高周波回路を扱う予定がある人には、普通の入門書では足りない部分を補えます。

2013年刊行で、参考価格は3,410円です。出版年は新しくありませんが、RFマイクロ波回路という目的がはっきりしているなら、ページ数と価格のバランスは取りやすい部類です。

PCBを用いたRFマイクロ波回路の基礎
PCBを用いたRFマイクロ波回路の基礎

EMC設計の専門書

『プリント配線板のEMC設計』は、今回の9冊で最も専門的です。EMCを、設計・理論・レイアウトの3方向から扱う本で、EMC設計を深く学びたい人におすすめです。

380ページの大型本で、Mark I. Montrose氏の著書を澁谷昇氏、高橋丈博氏、櫻井秋久氏が翻訳しています。発行元としてIEEEも記載されており、初心者向けの読み物より技術資料に近い位置づけです。

2006年刊行、参考価格は27,500円です。価格は9冊の中で突出しているため、趣味の基板製作だけを目的に買う本ではありません。製品開発やノイズ対策でEMC設計を必要とする人が、目的を決めて読む本です。

プリント配線板のEMC設計
プリント配線板のEMC設計

迷った時の一冊

プリント基板の用語も、回路図の見方もまだ不安なら、『トコトンやさしいプリント配線板の本 第2版』がおすすめです。160ページで価格も1,650円なので、専門書へ進む前の入口として負担が少なく済みます。

回路図を描いて基板製作まで進みたい人は、『TRSP No.148 回路図の描き方から始めるプリント基板設計&製作入門』がおすすめです。KiCadを使うことが決まっている人は、336ページの『定番プリント基板設計 KiCad入門』にします。

RF、部品内蔵、EMCまで目的が決まっている人は、一般向けの本を何冊も重ねる必要はありません。RFなら『PCBを用いたRFマイクロ波回路の基礎』、EMCなら『プリント配線板のEMC設計』というように、担当する分野へ直接つながる本を買うのがおすすめです。

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