なぜ私がトルコリラ投資をおすすめしないのか – データで見る実態と注意点

オフ 投稿者: sesera

目次

はじめに

こんにちは!今回は、トルコリラ投資について、過去のデータと事実に基づいて解説していきます。SNSなどで「高金利で稼げる」と紹介されることの多いトルコリラですが、実際のところどうなのでしょうか。

トルコリラの現状(2024年4月時点)

為替レートの推移

  • 2019年4月:1リラ = 約19円
  • 2020年4月:1リラ = 約16円
  • 2021年4月:1リラ = 約13円
  • 2022年4月:1リラ = 約8円
  • 2023年4月:1リラ = 約5円
  • 2024年4月:1リラ = 約3円

この5年間で、トルコリラの価値は約84%下落しています。

トルコの政策金利の推移

  • 2019年:12%
  • 2020年:17%
  • 2021年:19%
  • 2022年:14%
  • 2023年:45%
  • 2024年4月:50%

なぜおすすめできないのか

1. 急激な通貨価値の下落

トルコリラは継続的に価値が下がり続けています。例えば、2019年に100万円分のトルコリラを購入した場合:

  • 購入時:約52,600リラ(2019年4月レート)
  • 現在の円換算:約157,800円(2024年4月レート)

2. 金利と為替の関係

トルコの高金利(50%)は魅力的に見えますが:

  • 1年間の金利収入:約26,300リラ(50%の場合)
  • 同期間の為替差損:約70〜80%

3. 構造的な問題

トルコの経済には以下の課題があります:

  • インフレ率が100%を超える状態が続いている
  • 外貨準備高の不足
  • 政策の一貫性の欠如
  • 国際収支の赤字

よくある誤解

誤解1:「高金利だから必ず儲かる」

→ 為替変動により、金利収入以上の損失が発生するケースが多いです。

誤解2:「長期保有すれば大丈夫」

→ 過去20年のデータを見ても、通貨価値は一貫して下落傾向にあります。

誤解3:「インフレは一時的」

→ 構造的な問題があり、短期での改善は見込みにくい状況です。

まとめ

トルコリラ貯金をおすすめできない理由は:

  1. 継続的な通貨価値の下落
  2. 金利収入を上回る為替差損リスク
  3. 根本的な経済構造の問題
  4. 予測困難な政策変更リスク

代替案

高金利運用を検討している方には、以下をお勧めします:

  • 米ドル建て資産(現在の金利:5%台)
  • 新興国債券インデックスファンド
  • 分散投資ポートフォリオ

免責事項

本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。掲載データは2024年4月時点のものです。