
MEMS デバイス工学の入門書なら『はじめてのMEMS』がおすすめ
MEMSを学び始めると、センサーの原理に加えて微細加工や材料、回路との接続まで話が広がります。どこから読めば全体像がつかめるのか、迷いますよね。
入門書は、個々のデバイスの説明と作り方、応用先のつながりが分かると、知識を関連づけやすくなります。
森北出版の『はじめてのMEMS』は候補の一冊です。まずは収録範囲を見てみましょう。
早見表
| 書名 | 著者 | ページ数 | 参考価格 |
|---|---|---|---|
はじめてのMEMS | 江刺正喜 | 232ページ | 2,750円 |
価格は2026年9月28日時点のAmazon価格を目安にしています。販売時期や販売店によって変わるため、注文時の表示を確認してください。書誌情報と目次は森北出版の書籍ページでも確認できます。
この本は2011年刊のソフトカバー本です。ページ数は232ページ。MEMSの説明を一つの分野に絞らず、製作方法からセンサーやアクチュエーター、応用例まで扱います。
全体像をつかむ
MEMSは、機械的な構造と電気的な機能を微小な領域で組み合わせる技術です。デバイス名だけを追うと、加工工程や信号を取り出す仕組みが別々に見えがちです。本書は基礎から応用まで一続きで扱います。
目次は「マイクロマシーニングとMEMS」「MEMSの製作」「MEMSの要素」「MEMSの応用」の4章構成です。まず分野と加工の考え方から始まり、製作技術、機能要素、利用先へ進みます。
この順番なら、応用例を単なる製品紹介として終わらせず、背景にある加工やデバイスの話へ戻れます。大学の講義や独学で断片的な用語に触れた人にも、知識を関連づける助けになります。
製作工程まで扱う
第2章では、パターニング・エッチング・堆積と応力制御・接合・集積化・パッケージングと組立・設計と評価を扱います。MEMSを小型部品とだけ見ると分かりにくい、作製工程の幅が見える構成です。
たとえば、微細な形を作る工程を知ると、デバイスの形状がどう決まるかを考えやすくなります。さらに接合やパッケージングまで目次に含むため、素子を作る段階と、実際に扱えるデバイスへまとめる段階を分けて理解できます。
設計・評価も同じ章に並んでいます。構造を作れば終わりではありません。狙った動きや特性が得られるかを確かめる必要もあり、その開発の流れを製作技術と離さず読めるのが本書の特徴です。
センサーと駆動要素
第3章はセンサー、アクチュエーター、エネルギー源を扱います。MEMSデバイスを測るものと動かすものの両面から見渡せるため、センサーだけに関心がある読者にも、分野全体の機能要素をつかむ入口になります。
センサーの原理を知りたい人にとっては、デバイスの仕組みを加工法と結びつけて考えるきっかけになります。どの方式がどの製品に使われるかを暗記するより、構造を作る技術と機能がどう関わるかに目を向ける読み方が合います。
アクチュエーターやエネルギー源まで含む点も見逃せません。MEMSを計測用の小さなセンサーだけとして学ぶと、機械的な動きを作る技術やシステムを動かす側面が抜けやすくなります。対象領域を広げたい人にも合います。
応用例を結びつける
第4章では、自動車・家電、情報・通信、製造・検査、医療・バイオへの応用を扱い、MEMSビジネスも目次に含まれます。複数の分野へ広がる技術だと分かり、学んだ基礎を実社会の利用先へつなげやすい構成です。
自動車や家電に加え、製造・検査や医療・バイオまで扱うので、MEMSが特定の製品カテゴリーだけの技術ではないこともつかめます。研究テーマを探している学生や、異なる分野への応用を考える技術者にも、視野を広げる材料になるでしょう。
応用分野を幅広く扱う本と、特定のセンサー方式や個別デバイスを深く追う専門書では役割が違います。個別設計の詳しい計算や最新製品の仕様を調べるより、技術の全体像をつかむ用途に合う一冊です。
結論
MEMSの基礎だけでなく、製作、センサー・アクチュエーター、応用分野まで一冊でつなげたいなら、『はじめてのMEMS』がおすすめです。全体像を先に押さえたい学生や、隣接分野からMEMSを学ぶ技術者に合います。
参考価格は2,750円(2026年9月28日時点)です。刊行年は2011年なので、最新の研究・製品情報を網羅する目的には合いません。MEMSを学び始める際の基礎として読み、特定テーマは新しい資料で補う前提なら、購入候補にしやすい一冊です。

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