トーテムとタブーとは?フロイトの理論と本の内容

トーテムとタブーとは?フロイトの理論と本の内容

オフ 投稿者: せせら編集部

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「トーテムとタブー」は、フロイトが社会の規則や宗教の起源を、無意識や欲望との関係から考えた著作です。題名だけだと文化人類学の入門書のようにも見えますが、中心にあるのは精神分析を使った大胆な仮説ですよ。

トーテムは集団と結びつく動物や象徴。タブーは触れることや行うことを禁じる決まりです。フロイトはこの二つを手がかりに、個人の心と社会の成り立ちをつなげて論じます。

同じ題名の本でも、全集の一冊とKindle版では分量や形が違います。内容の読みどころと版の違いを押さえておくと、本文に入りやすくなります。

手に取れる2冊

書籍形式参考価格
フロイト全集 12『トーテムとタブー』フロイト全集 12『トーテムとタブー』オンデマンド・ペーパーバック9,680円
『トーテムとタブー(翻訳版)』『トーテムとタブー(翻訳版)』Kindle版980円

価格はどちらも2026年9月28日時点のAmazon参考価格です。販売時期によって変わるため、注文時の表示を確認してください。全集版は須藤訓任・門脇健訳で、1912〜13年の論稿を収めた第12巻です。

全集版は392ページです。『トーテムとタブー』に加えて、同じ時期のフロイトの論稿も読める構成。オンデマンドのペーパーバックです。

フロイト全集 12『トーテムとタブー』
フロイト全集 12『トーテムとタブー』

Kindle版は166ページで、著者はジークムント・フロイト、訳者は古典再生プロジェクトです。紙の本を置く場所を取らず、電子書籍で本文を読めます。価格差も大きく、まず一冊を読み通したい人にはKindle版がおすすめです。

トーテムとは

本書でいうトーテムは、ある集団が自分たちの祖先や仲間との結びつきを認める動物などの象徴です。フロイトは、トーテムを集団の印として扱うだけでなく、父親への感情が置き換えられた存在と解釈しました。

この見方では、トーテム動物を殺したり食べたりすることに特別な意味が生まれます。ふだん禁じられている行為を、集団の儀礼として一度だけ行う。そこに禁忌と連帯が同時に現れると、フロイトは考えます。

「トーテム」をどの社会にも同じ形で当てはまる普遍的な制度として覚えるのは早計です。本書はフロイトの理論を読むための作品で、各地の文化を現在の研究に沿って解説する事典ではありません。

タブーの二面性

フロイトはタブーを、道徳や法律とは異なるものとして考えます。何が禁じられているかに加え、禁じられた対象が神聖であると同時に危険でもあるという両義性に注目したのです。

禁じられたものへ近づきたい気持ちと、近づいてはいけないという恐れが並び立つ。強く意識するからこそ避けようとする場面を思い浮かべると、彼がいう「感情の両価性」がつかみやすくなります。

本書は、タブーを破った人まで危険な存在として扱われることや、接触を通じて禁忌が広がるという考えも取り上げます。現代の読者には奇妙に感じられる部分ですが、規則が人の行動や集団の境界を作る働きを考える材料になります。

欲望と禁止

フロイトが示すのは、禁止の背後にある欲望です。人は望まない行為を禁じられるのではなく、強く望む可能性があるからこそ禁じられるのではないか。これが本書を貫く精神分析的な問いです。

彼はこの発想を、個人の強迫的な禁止と社会のタブーの類似に結びつけます。本人にも理由を説明できない決まりを守り、破れば大きな災いが起きると感じる。その心の動きを、社会の規則を考える手がかりにしました。

フロイトは両者を同一視せず、似た形に注目して説明を試みています。表面的な類似から深い共通性を早まって結論しないよう、本人も本文で注意を促しています。原著の該当箇所では、その慎重さも読み取れます。

四つの論考

本書は大きく四つの論考から成ります。近親相姦への恐れ、タブーと感情の両価性、アニミズム・魔術・思考の万能感、そしてトーテミズムと子どもの心理へと論点が移ります。原著の章立てを見れば、題名から受ける印象より幅広いテーマを扱うことが分かります。

第三論考では、願いや考えが現実に影響を及ぼすと感じる心理を「思考の万能感」として扱います。迷信を笑って終わらせず、考えと出来事の結びつきを人がどう感じるのかを問う視点です。

第四論考では、子どもが動物へ向ける恐れや愛着と、トーテムへの感情を並べて考えます。父親を殺した兄弟たちが罪悪感から規則を作ったという仮説へ進み、社会の決まりや宗教の起源を説明しようとします。トーテムの祭宴を論じる箇所は、本書の中でも特に大胆な部分です。

読みどころと限界

読みどころは、当たり前に見える禁止や慣習を「なぜ人は守るのか」と問い直すところです。法律の条文だけでは、人が規則に感じる恐れや罪悪感までは分かりません。フロイトはそこへ目を向けました。

父親殺しを人類社会の起点とする説明は、歴史上の出来事を実証した記録ではなく、フロイトの推論です。現代の人類学や歴史の確定事項として受け取らず、精神分析が文化の起源をどう説明しようとしたかを追う読み方が適切でしょう。

本文には現在では使われなくなった分類や、当時の文化観が反映された表現もあります。フロイトの主張、彼が参照した民族誌的報告、現在確かめられている事実を分けて読むと、理論の面白さと限界を同時に捉えられます。

まとめ

「トーテムとタブー」は、トーテムやタブーを通じて、欲望・恐れ・罪悪感が社会の規則へ結びつく仕組みを考えた本です。文化の起源を説明し切る理論ではありません。フロイトの精神分析的な仮説として読むと、現代にも残る問いが見えてきます。

周辺の論稿も含めて読みたい人には岩波書店の全集版、電子書籍で本作を読みたい人にはKindle版がおすすめです。どちらも価格は変動するため、注文前に最新の販売価格を確認してください。

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