グリースガンのホース交換|ねじ規格・長さとフレキシブルホースの選び方

グリースガンのホース交換|ねじ規格・長さとフレキシブルホースの選び方

オフ 投稿者: せせら編集部

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グリースガンのホースを探すと、「1/8インチ」と書かれた商品がたくさん出てきます。同じ1/8なら取り付けられそうに見えますよね。

ただ、国内製品で多いR1/8・Rc1/8(旧表記のPT系)と、輸入品で見かけるNPT1/8は別のねじ規格です。途中まで入っても、安全に使えると判断しないでください。

交換前に確認したいのは、本体の型番、ホース両端のねじ、常用圧力、手動・エア・電動のどれに対応するかです。この4点がそろったら、作業場所に合う長さとホースの形を決めましょう。

目次

交換ホースは本体型番と純正品番から調べる

まずグリースガン本体の銘板を見て、メーカー名・シリーズ名・型番をそのまま控えましょう。次に調べるのは、取扱説明書や部品表に指定されたホースやノズルの純正品番です。古いホースの六角部、保管していた袋、購入履歴に品番が残っていれば、それも別に記録してください。

手動・エア・電動のどれかを最初に確認する

型番と一緒に、手動・エア・電動のどれかも書いておきましょう。同じメーカーの同じような長さのホースでも、対象機器や仕様が違う製品があるためです。たとえばLincolnでは、手動ガン用のG212・G218と、PowerLuber用の1218・1224・1230で純正品番が分かれています。

本体側とカプラー側のねじを別々に記録する

ホースのねじは、「本体側」と「カプラー側(出口側)」を分け、それぞれの規格・呼び径・オスかメスかを控えましょう。両端が同じと思い込まないでください。Lincolnの手動ガン用G212・G218は両端が1/8 NPTのおねじですが、PowerLuber用は本体側が7/16 UNEF、カプラー側が1/8 NPTのおねじです。

購入候補を探すのは、本体型番、駆動方式、純正ホース品番、両端のねじを1枚のメモにそろえてからです。品番やねじ表記を読み取れないときは、銘板と両端口金の写真に本体型番を添えて、メーカーや販売店へ提示してください。

R1/8・Rc1/8・PT1/8とNPT1/8は同じ「1/8」でも互換ではない

ねじ表記の「1/8」は呼び径です。R1/8とNPT1/8は名前こそ似ていますが、ねじ山の形が異なるため、相互に代用できません。途中までねじ込めたとしても、正しくかみ合っているとは判断しないでください。

R・Rc・PTは国内製品で多いBSPT系の表記

R・RcはBSPT系の管用テーパねじで、Rはおねじ、Rcはめねじを表します。1/8サイズは1インチあたり28山、ねじ山角55度です。PTは旧表記として残っており、国内製品では、ヤマダKHシリーズの本体側Rc1/8へ純正ホース側のR1/8を組み合わせる例があります。

NPTと7/16 UNF・UNEFはLincolnなどの輸入品で確認する

NPTは米国系の管用テーパねじで、1/8サイズは1インチあたり27山、ねじ山角60度です。BSPT系とは山数も角度も違うため、「1/8」という部分だけを見てR1/8やRc1/8へつながないでください。

7/16 UNF・UNEFが出てきた場合は、管用ねじではなくユニファイねじ系です。たとえばLincolnのPowerLuber用ホースは、本体側が7/16 UNEF、カプラー側が1/8 NPTのおねじになっています。7/16という寸法だけで他社ホースとの互換性を判断せず、本体型番と純正品番へ戻って確認しましょう。

シール材や変換継手だけでは誤ったねじ規格を補えない

シールテープや液状シール材は、NPTとR・Rcのねじ山の違いを補正するものではありません。変換継手も、両側のねじ規格、オス・メス、常用圧力、シール方式、メーカー指定まで確認が必要です。正しい規格か確定できない組み合わせは、無理にねじ込まず使用を止めてください。

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ホースは常用圧力と手動・エア・電動の用途まで合わせる

ねじが合っても、圧力定格や用途が合わなければ交換ホースとして使えません。本体の最大圧力、ホースの常用圧力、継手とカプラーの常用圧力、手動・エア・電動の用途区分の順に確認しましょう。

破裂圧力ではなく常用圧力を確認する

ホース選びに使うのは、working pressureやmaximum working pressureと書かれた常用圧力であり、burst pressureの破裂圧力ではありません。たとえばLincoln G218は常用3,500psi、破裂14,000psiと分けて記載されています。

商品名に「10000 PSI」とあっても、それが常用圧力か破裂圧力か、ホース単体かカプラーを含むセット全体か分からなければ選定できません。本体とホースの取扱説明書や仕様表で、常用圧力の項目を確認してください。

本体・ホース・継手・カプラーで最も低い定格が上限

実際に使える圧力は、本体・ホース・継手・カプラー・アダプターのうち、最も低い定格までです。ホースだけ高定格にしても、低い定格の部品が残ればシステム全体の上限は上がりません。ヤマダCH-650LLは本体最大80MPaですが、一般マイクロホースを使う場合は21MPa以下とされています。手動式でも低圧とは限らないので、本体の方式だけで判断しないでください。

手動専用ホースを電動・エア式へ流用しない

手動用・エア用・電動用の区別は、商品名の「高圧」や「汎用」ではなく、メーカーが示す適用機器に従います。Lumax LX-1201・LX-1205は手動ガン専用で、動力式には使えません。電動ガンやエア式ガンへ付けるなら、その本体型番または機器区分への適合が明記されたホースを選びましょう。用途が確認できない場合は、ねじと圧力の数字が合って見えても流用を止めてください。

30cm前後は手元作業、1m以上は農機や車体の奥に向く

給脂口まで無理なく届くなら、必要以上に長いホースは避けましょう。225〜450mm前後は、自動車の足回りや農機の外側など、手元から少し角度を逃がしたい場所に向きます。1m〜1.5mが向くのは、車体や機械カバーの奥へ届かせたり、ガン本体を安定した場所に置いたりする作業です。

必要な長さは、作業場所の形やガン本体の置き方で変わります。長いホースは床へ触れやすく、タイヤや可動部への巻き込み、収納時の折れも増えます。ヤマダは330mm・1030mm・1530mm、KTCは337mm・1016mmの製品を用意しているので、実際の取り回しに近い長さを選びましょう。

フレキシブルホースとリジッドノズルは作業場所で選ぶ

フレキシブルホースは、周囲に障害物がある場所や、給脂口へまっすぐ近づけない場所で角度を合わせやすい形です。金属管のリジッドノズルなら、見える位置の給脂口へ短い距離でまっすぐ押し当てられます。深い位置では角度を変えにくいため、届くかだけでなく、給脂口へ無理なく正対できるかも確認しましょう。

最小曲げ半径を守り、折れ癖や外皮の傷があれば交換する

フレキシブルでも、好きな角度で鋭く折り曲げられるわけではありません。ヤマダの多くのマイクロホースは最小曲げ半径35mm、ロックカプラー付きホースは40mmです。使用中だけでなく収納時も、取扱説明書に示された半径より小さく曲げないでください。

鋭い折れや折れ癖、つぶれ、外皮の膨れ・擦れ、編組の露出、口金の回転や抜け、グリースのにじみが見つかったホースは使用を止めます。Lincolnも、キンク、摩耗、外皮損傷の最初の兆候で交換するよう案内しています。テープやホースバンドで補修して高圧で再使用しないでください。

カプラーはハイドロリック・ピン・ボタンヘッドで選び分ける

カプラーは、給脂先のニップル形状に合わせます。ホースのねじが本体に合っていても、先端の種類が違えば給脂できません。交換前に給脂口を正面と横から確認し、次の3種類を見分けましょう。

給脂ニップル見分け方合わせる先端
ハイドロリック一般的な球状の先端ハイドロチャック・4爪カプラー
ピンタイプ横ピンで固定する形ピンタイプ専用ノズル
ボタンヘッド平たいボタン形状。サイズ区分ありサイズが合うボタンヘッド専用カプラー

ヤマダではSPK-3Cがハイドロリック用、SPK-1Cがピンタイプ用、SPK-2C・SPK-20Cがボタンヘッド用です。TRUSCO G3C-14-AとKTC G-330NHはハイドロリック用なので、ピンタイプやボタンヘッドには使わないでください。

ロックカプラーは入口ねじと圧力定格も確認する

ロックカプラーは、レバーなどで爪を固定し、給脂中の保持を助ける部品です。対象ニップルだけでなく、カプラー入口のオス・メス、RかNPTか、ホース出口のねじ、常用圧力を確認してください。圧力表示が常用圧力か不明な製品は使えません。

カプラーの定格がホースや継手より低ければ、組み合わせ全体の上限も下がります。ロック解除時に圧力を逃がす機構があるか、取扱説明書の外し方と一緒に購入前に確認してください。

給脂後に外れない時は無理にこじらず残圧を抜く

給脂後にカプラーが外れない原因は、爪のかみ込みだけでなく、ホース内に残った圧力のことがあります。外れないまま追加で加圧したり、ペンチやドライバーでこじったりせず、まず操作を止めてください。

残圧の抜き方はカプラーごとに異なり、ヤマダの従来チャックには傾けて内圧を抜く手順があります。この操作はロックカプラーへ流用できませんが、Alemiteには専用リリーフバルブで圧力を逃がす製品もあります。使っている機種の解除手順で圧が抜けない、またはカプラーが固着したままなら、無理に外さず作業を止めてください。

残圧を抜き、動力を切ってからホースを交換する

グリースガンのホースには、操作を止めた後も圧力が残ることがあります。継手を緩めて圧力を逃がそうとせず、最初に本体の取扱説明書でホース交換と残圧解除の手順を確認してください。保護メガネと耐油手袋を着用し、ノズルを人や皮膚へ向けない状態で作業してください。

電動はバッテリー、エア式は空気供給を外す

動力の遮断方法は、本体の方式ごとに分けます。

  1. 電動ガンはバッテリーパックを外す。
  2. エア式ガンは空気供給を閉じ、エアホースを切り離す。
  3. 手動ガンはレバーへ触れない位置で本体を固定する。
  4. 給脂ニップルへ接続中なら、機種指定の方法でカプラー側の内圧を抜いてから外す。

圧が残っている疑いがあるときは、口金を緩めません。カプラーの解除機構や本体の圧抜き手順を使っても圧力を抜けない場合は、そこで作業を止めてください。

本体側を押さえ、ホースではなく口金の六角部を回す

取り外す前に、記録した本体型番と両端のねじをもう一度確認してください。接続部の汚れを拭き、本体側の取扱説明書で指定された六角と、ホース口金の六角へ別々に合うレンチを掛けます。本体側を保持したまま口金の六角部を回し、ホース本体をつかんでねじらないでください。

ヤマダKH系の一部では、本体側の取付金具をスパナで押さえずに回すと、ユニオンまで外れて内部のスプリングやボールが出るおそれがあります。ただし、押さえる場所は機種によって違います。他社を含め、本体のどの六角を保持するかは取扱説明書で確認してください。共通の締付トルクは確認されていないため、力加減や回転数を一律に決めず、機種指定の締付方法に従います。

新旧ホースのねじ、口金形状、定格、用途を並べて確認し、メーカー指定のシール材と締付方法がある場合だけ、その指示に従って取り付けてください。交換後は低負荷で試し吐出しを行い、継手・外皮・カプラーの漏れや異常な膨れを目で確認します。確認中もホースを握らず、噴射方向へ手を置かないでください。

圧が抜けない、ねじが合わない、口金が傷んでいる時は作業を止める

次の状態では、工具へ力を足さず使用を止めます。

  • 残圧が抜けない、カプラーが固着している、流路が閉塞している
  • 新旧ホースでねじの入り方が違う、数山で止まる、斜めに入る、がたつく
  • ホースが膨れている、口金が変形・回転・抜けかけている、グリースが噴霧状に漏れる
  • 本体側のユニオン、逆止弁、ボール、スプリングが外れた
  • 試し吐出し後に継手から漏れる、外皮が異常に膨らむ

ピンホール漏れを指で探さないでください。高圧のグリースが皮膚へ入った場合は、傷が小さく見えても直ちに医療機関を受診します。

国内R1/8用と輸入NPT用を分けて商品を選ぶ

交換ホースの候補は、国内で多いR1/8系と、輸入品で見かける1/8 NPT系を分けて探します。メーカー名や長さが近くても、本体型番ごとの適用機器、両端のねじ、常用圧力が一致しなければ使えません。

ヤマダ・KTC・TRUSCOは本体型番とR1/8の適合を確認する

国内R1/8系には、次のような製品があります。

メーカー・型番ねじ・用途長さ常用圧力・適合上の注意
ヤマダ SPK-3C系本体側R1/8系、ハイドロリック用330・1030・1530mm常用21MPa。本体型番ごとの適合条件を確認
KTC G-330NHR1/8、ハイドロリック用337mmG-80〜500・CG-400用。JTAE911は純正JAE913アダプターを使用
TRUSCO G3C-14-AR1/8・28山、ハイドロリック用356mmピン・ボタンヘッドは非対応。現行ページに常用圧力の数値がないため接続本体と仕様を確認

R1/8と書かれていても、すべての国内グリースガンへ付くわけではありません。純正部品表にあるホース品番、対象本体、カプラーの種類まで照合してください。TRUSCOは旧品が流通しているため、似た型番を長さだけで置き換えず、現行品か旧品かも確認しましょう。

Lincoln・LumaxはNPTと7/16 UNEFの両端規格を確認する

輸入品では、手動用の両端1/8 NPTと、動力式で使われる7/16 UNEF・1/8 NPTの組み合わせを分けて考えてください。

メーカー・型番対象機器両端のねじ長さ・常用圧力
Lincoln G212・G218手動ガン1/8 NPTおねじ × 1/8 NPTおねじ12・18インチ、常用3,500psi
Lincoln 1218・1224・1230PowerLuber本体側7/16 UNEF × 出口側1/8 NPTおねじ18・24・30インチ、常用7,500psi
Lincoln 1236・1248HPPowerLuber本体側7/16 UNEF × 出口側1/8 NPTおねじ36・48インチ、常用10,000psi
Lumax LX-1201・LX-1205手動ガン1/8 NPTおねじ × 1/8 NPTおねじ12インチ、常用4,500psi。動力式不可
Lumax LX-1214高圧・電動系1/8 NPT × 7/16-28 UNEF30インチ、公式10,000psi

Lincolnでは手動用G212・G218とPowerLuber用で本体側のねじも定格も違い、Lumaxも手動専用と電動系が分かれています。1/8 NPTという表記が一方にあっても、もう一方のねじと対象本体を確認せずに選ぶことはできません。

Lincoln Lubrication 5861 36インチエクステンション 手動または空気作動グリースガン用
Lincoln Lubrication 5861 36インチエクステンション 手動または空気作動グリースガン用

型番・ねじ・常用圧力・用途・長さ・カプラーがそろってから購入する

購入前に必要なのは、次の6点です。

  • 本体のメーカー名・型番と純正ホース品番
  • 本体側とカプラー側、それぞれのねじ規格・呼び径・オスかメスか
  • 本体の最大圧力とホース・カプラーの常用圧力
  • 手動・エア・電動の用途区分
  • 作業場所に必要な長さと最小曲げ半径
  • 給脂先がハイドロリック・ピン・ボタンヘッドのどれか

Amazonの商品タイトルにある「1/8インチ」「高圧」「汎用」だけでは、この6点を確認できません。商品タイトルは候補探しに使い、適合は本体メーカーの取扱説明書、部品表、公式製品仕様で判断してください。どれか1点でも確定できない場合は購入を止め、銘板と両端口金の写真を添えてメーカーや販売店へ確認してください。

グリースガンのホース交換でシールテープは必ず必要ですか?

必ず必要とは限りません。本体やホースの取扱説明書で指定されたシール材と取り付け方に従ってください。シールテープでNPTとR・Rcの違いは補えず、はみ出したテープ片は流路を詰まらせる原因になります。

ホース交換後に接続部からグリースが漏れたら、増し締めしてもよいですか?

加圧したまま増し締めしないでください。使用を止め、機種指定の手順で残圧を抜いた後、ねじ規格、口金の変形、シール材、締め付け方法を見直します。規格や漏れの原因を特定できなければ、再使用せずメーカーや販売店へ確認してください。

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