絶縁抵抗計の使い方|測定手順・500V/1000Vの使い分け・測定値の見方

絶縁抵抗計の使い方|測定手順・500V/1000Vの使い分け・測定値の見方

オフ 投稿者: せせら編集部

この記事を書いている人(せせら)

普段は個人事業主のプログラマーとして仕事をしています。
個人で作業効率化サービスを運営し、挑戦を続ける人々を静かに応援しています。

広告
Amazonタイムセール開催中!
割引中の商品を今すぐチェック

絶縁抵抗計を使うことになっても、どこに端子を当てるのか、500Vと1000Vのどちらを選ぶのかで手が止まりやすいですよね。測り方を誤ると、機器を傷めたり、測定値を正しく判断できなかったりします。

絶縁抵抗計は、電源を切って安全を確かめたうえで、測る場所と設備に合う試験電圧を選んで使います。表示された数値は大きければよいと決めつけず、設備の種類や測定条件を合わせて判断してください。

この記事では、絶縁抵抗計の基本的な測定手順、500Vと1000Vの使い分け、電線どうし・電線と大地の間を測る方法、測定値の見方を解説します。用途に合う機種も条件別に紹介するので、使い方と選び方をまとめて確認できます。

絶縁抵抗計の用途別おすすめ

絶縁抵抗計は、測る電路の種類や必要な測定電圧で向く機種が変わります。一般の低圧設備を広く見るなら電圧の選択肢が多い機種、記録を残すなら保存機能付き、太陽光発電設備を点検するなら専用機能付きがおすすめです。

高い電圧を出せる機種なら、どの機器にも使えるわけではありません。機器にかけてよい電圧、測定器の範囲、測定コードの仕様が型番ごとに違うため、これらを確認すると用途に合わない機種を外せます。

ここからは、用途別の候補機種を表で見ていきましょう。太陽光発電設備以外は一般電路用、測定値を残すなら記録機能付きの行から、必要な機能を比べてください。

向く人商品主な強み弱点・購入前の最終確認
一般の低圧電路を幅広く測る人HIOKI IR4051-1050・125・250・500・1000Vの5レンジ。一般的な設備の点検で、測定電圧を選べるIR4051-11とは付属する測定コードが異なるため、枝番と付属品を確認する
測定値を記録して比較したい人KYORITSU KEW 355250〜1000Vの6レンジ。測定値の保存や経過時間を確認でき、定期点検の記録を残せる記録機能を使わないなら機能が余る。保存機能が必要かを先に決める
太陽光発電設備を点検する人HIOKI IR4053-11太陽光発電設備向けの専用測定機能を備え、発電中の直流電圧を考慮した点検に使える一般の電路用として選ばず、太陽光発電設備の点検方法に合うかを確認する
250・500・1000Vの3レンジで足りる人SANWA MG1000250・500・1000Vに対応。自動放電で測定後の残留電気に対応し、防じん・防滴(IP54)を備える125Vなどの低い測定電圧が必要なら候補から外し、必要なレンジを持つ機種を選ぶ

500V/1000Vの用途

500Vと1000Vは、絶縁抵抗計が測る対象へかける試験電圧です。絶縁抵抗の合否を示す数字ではなく、測る電路や機器にかけてよい電圧に合わせて決めてください。

目安は、600V以下の電路や機器なら500V、600Vを超える回路や高電圧設備なら1000Vです。ただし、100V・200V系の機器を点検する場合は125Vや250Vが適することもあり、500Vを一律にかけるわけではありません。

次の表から用途に近い行を探してください。機器にかけてよい電圧や点検基準が分からない場合は、測定を進めず、設備管理者や電気設備を扱う資格を持つ担当者へ確認してください。電子機器がつながっている場合は、対象を切り離せる状態になるまで測定を始めないでください。

測る対象・用途選択の目安選ぶときのポイント
100V・200V系の機器の維持管理125Vまたは250V点検目的や機器にかけてよい電圧で決める。500Vを自動的に選ばない
600V以下の低圧電路・機器500V一般的な低圧設備の中心となる目安。接続された電子機器がある場合は、切り離せる状態を確認してから作業する
600Vを超える回路・高電圧設備1000V1000Vをかけてよい対象かを確認する。低い電圧向けの機器へ無条件に使わない
太陽光発電設備設備の条件に合う500Vまたは1000V発電中の直流電圧が測定へ影響するため、太陽光発電設備向けの機能と手順を使う

絶縁抵抗の測定手順

絶縁抵抗計は、電源を切るだけでなく、電圧が残っていないことを確認してから使ってください。測定後も対象に電気が残ることがあるため、最後の放電までが一連の手順です。

順番は「点検」「電源の確認」「測定対象の切り離し」「電圧の選択」「接続」「測定」「放電」「記録」です。次の手順を上から順番に実施してください。

  1. 本体、測定コード、電池を点検します。コードの被覆が破れていたり、金属部分が露出していたりする場合は使いません。
  2. 測定する回路のブレーカーを切り、電圧測定器で電圧がないことを確認してください。電源が入った状態で絶縁抵抗を測り始めないでください。
  3. 電子機器や負荷の接続を確認します。
  4. 測定前に、切り離せる状態にしてください。
  5. 試験電圧で壊れる機器があれば、測定を止めます。
  6. 電圧や切り離し方が不明なら、設備管理者または電気設備を扱う資格を持つ担当者へ確認してください。
  7. 測定機能をオフにして、測定電圧を選びます。
  8. 500Vや1000Vを選んだまま、別の対象を測りません。
  9. 電線と大地の間では、E/EARTH端子を接地側へつなぎます。
  10. L/LINE端子は、測る電線へつなぎます。
  11. 電線どうしでは、測定する2点へ接続します。
  12. 測定を開始し、測定コード先端の金属部分へ触れずに表示が安定するまで待ちます。測定電圧と測定値を一緒に記録します。
  13. 測定コードを対象へつないだまま、測定を止めます。
  14. 測定器が示す放電完了を確認してから、コードを外します。
  15. 放電前は、対象やコードへ触れたり外したりしません。
  16. 測定値、測定電圧、測定場所、日時を記録します。
  17. 線間・対地間の別も記録します。
  18. 必要なら温湿度と負荷の切り離し状態も残します。

測定後は、測定器が示す放電完了の状態を確認してから測定コードを外します。測定電圧・測定箇所・日時を同じ形式で残すと、次回の測定値との変化を比較できます。

線間・対地間の測定

線間測定は電線どうし、対地間測定は電線と大地の間。この測定器は、電線相互間の絶縁状態を確認する場面で使います。3本の電線を組み合わせる回路では、R-S・S-T・T-Rの3組が測定対象。

対地間測定は、電線と大地や接地された金属部分の間を測る方法です。一般的な配線では、接地側のE端子を大地・接地部へ、L端子を測る電線へつなぎます。

測定の種類測定コードをつなぐ場所確認できること測定前の確認
線間測定測定する2本の電線や2点の間電線どうしの絶縁状態E端子とL端子の向きは機種の指定を優先。表示灯・小型変圧器・電子機器などは、試験電圧をかけてよいか確認する
対地間測定E端子を大地・接地部へ、L端子を測定対象の電線へ電線から大地や接地部への漏れにつながる絶縁状態接地側と測定対象側を取り違えない。端子のつなぎ方は測定器の指定にも合わせる

線間測定では、電線どうしの組み合わせを記録すると、どこで値が下がったかを追いやすくなります。対地間測定では、E端子を接地側、L端子を測定対象側へつなぐ形を基本にし、測定した場所と接続方法も一緒に残してください。

絶縁抵抗値の見方

絶縁抵抗は、電気が漏れにくい度合いを数値で示します。MΩ(メガオーム)は100万Ωのことで、数値が大きいほど電気が漏れにくい方向です。

ただし、高い数値が出れば必ず合格という意味ではありません。測定した電路や機器の基準、測定電圧、測定時間、測定器が正しく測れる範囲を合わせて判断してください。

表示・状態読み取れること次に見るポイント
高いMΩ値漏れ電流が小さく、絶縁状態は良い方向基準や測定条件と照らし、数値だけで合否を決めない
低いMΩ値漏れ電流が大きい可能性。絶縁劣化、湿気、汚れ、接続負荷などが考えられる電源、負荷の切り離し、測定場所、測定コードの接続を確認する
0に近い値測定した2点の間に、低い抵抗の経路がある可能性電源が切れているか、測定箇所や接続に間違いがないかを確認する
最大表示・∞相当測定器の表示上限を超えた高い抵抗の可能性。∞は無限大という実測値ではないその機種の上限を超えた表示として記録する
測定直後から数値が変わるケーブルや機器にたまる電気、湿気、汚れなどの影響が考えられる表示が落ち着くまで待ち、測定時間をそろえて比較する

低圧電路に関する法令上の最低値は、使用電圧300V以下かつ対地電圧(大地と電線の間の電圧)150V以下なら0.1MΩ以上、それ以外の300V以下なら0.2MΩ以上、300Vを超えるものなら0.4MΩ以上です。これは低圧電路の基準であり、個別の機器やケーブル、高電圧設備の合否にはそのまま当てはめないでください。

測定器には、数値を正しく示せる範囲があります。最大表示だけで判断せず、過去の測定値と比べるときは測定電圧・測定時間・温度や湿度をそろえ、値の変化も一緒に見てください。

QA

Q. PIやDARの機能は、初心者にも必要ですか?
A. 基本的な絶縁抵抗測定だけなら必須ではありません。PI(偏極指数)は10分値を1分値で割った比率、DAR(誘電吸収比)は1分値を15秒値で割った比率で、絶対的な合否を単独で決める数値ではないためです。設備の点検基準や劣化診断で指定されている場合に、測定時間や測定電圧をそろえて使ってください。

Q. 測定コードは、本体だけでなく安全カテゴリも確認しますか?
A. 確認が必要です。CAT(測定カテゴリ)は、電気設備のどの位置で測れるかを示す安全上の区分で、本体と測定コードの両方を測定対象に合わせます。どちらか一方の定格が低ければ、低い側が組み合わせ全体の上限になるため、対象に合わないコードを流用しないでください。

Q. 三相3線の線間測定は、どの組み合わせを測りますか?
A. 3本の電線をR・S・Tとするなら、測定対象はR-S・S-T・T-Rの3組です。対地間も確認する場合は、各電線と大地・接地部の間を別に測り、どの組み合わせを測ったか記録してください。測定前の電源遮断、負荷の切り離し、測定後の放電も省略しません。

絶縁抵抗計の購入結論

購入する機種は、必要な測定電圧と測定対象から決めてください。一般の低圧電路を広く測るのか、記録を残すのか、太陽光発電設備を測るのかで必要な機能が変わるため、用途ごとに候補を比べ、必要な機能がある機種だけを残してください。

  • 一般の低圧電路: HIOKI IR4051-10を選びます。
  • 50・125・250・500・1000Vの5レンジを使えます。
  • IR4051-11は付属する測定コードが異なるため確認します。
  • 測定値を記録: KYORITSU KEW 3552を選びます。
  • 50〜1000Vの6レンジと測定値の保存機能があります。
  • 経過時間を確認でき、定期点検の記録に向きます。
  • 太陽光発電設備: HIOKI IR4053-11を選びます。
  • 太陽光発電設備向けの専用測定機能があります。
  • 一般の電路用とは用途が異なります。
  • 3レンジで足りる: SANWA MG1000を選びます。
  • 250・500・1000Vと自動放電に対応します。
  • 防じん・防滴(IP54)を備えます。
  • 125Vが必要なら、別のレンジ構成を選びます。

最後に、測定対象へかけてよい電圧、必要なレンジ、測定コードの仕様、太陽光発電設備向け機能の有無を確認してください。1000V対応という理由だけで、すべての機器へ使えると決めず、用途に合う型番を選ぶことが購入の結論です。

広告
Amazonタイムセール開催中!
割引中の商品を今すぐチェック

Amazon の PC をスコア化してみた

Specsy Hub

Amazonにある8〜14インチの小型WindowsタブレットやノートPCを、スペック別にスコア化して比較・ランキング。

※同一運営者のサイトです。

このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。