
Fluke 1775と1777の違い|過渡現象のサンプリング・iFlex長さ・ケースで比較
Fluke 1775と1777は測れる項目がよく似ています。約18万円の価格差があると、どちらを選ぶか迷いますよね。
選択を分けるのは、一瞬の電圧の乱れを記録する細かさと、付属するプローブやケースでしょう。
この記事では、過渡現象の記録性能と付属品を比べ、用途に合う機種とセットを紹介します。
フルーク1775対1777
まず、調査の目的から分けましょう。長時間の電圧・電流記録ならFluke 1775、短い電圧の乱れを細かく追うならFluke 1777が候補になるでしょう。
| 比較項目 | Fluke 1775 | Fluke 1777 |
|---|---|---|
| おすすめの人 | 電圧・電流の長時間記録や設備の負荷調査が中心の人 | 一瞬の電圧の乱れを細かく残し、原因を詳しく調べたい人 |
| 主な強み | 主要な測定機能を備え、1777より約18万円安い | 毎秒2,000万回、500,000点で過渡現象を記録できる |
| 弱点 | 20 MS/sの高速記録には非対応。ケースはソフトタイプ | 価格が高く、付属ハードケースだけで約6.85 kgある |
| 過渡現象の記録 | 毎秒100万回(1 MS/s)、25,000点 | 毎秒100万回または2,000万回(1 MS/s・20 MS/s)、500,000点 |
| 付属プローブ | 導体を囲む柔軟な電流プローブ(iFlex)は18インチ | iFlexは24インチ |
| 付属ケース | 黒色ソフトケース | キャスター付きハードケース |
| 記録容量 | 8 GB内蔵、メモリーカードで拡張可能 | 32 GBのメモリーカードを装着 |
| 価格の目安 | 約140.2万円 | 約158.3万円 |
| 購入前の最終確認 | 標準は18インチiFlex付き。Basicは電流プローブ別売 | 標準は24インチiFlex付き。Basicは電流プローブ別売 |
両機とも、電圧・電流・電力・電圧低下を測れます。1777が上回るのは高速記録と付属品で、通常測定まで別物になるわけではありません。
ここで見落とせないのが、標準セットとBasicの同梱差。型番末尾・プローブ本数・納期まで、発注前に確かめてください。


通常測定はフルーク1775
電圧・電流の長時間記録や、設備の負荷調査が中心ならFluke 1775が堅実です。電力、高調波、電圧低下や上昇まで測れ、1777より費用を約18万円抑えられます。
短い波形を細部まで追わない調査なら、毎秒100万回・25,000点で足りるでしょう。
一方、20 MS/sには対応していません。18インチiFlexとソフトケースが現場に合うかは、発注前に確認してください。

高速過渡はフルーク1777
遮断器が突然落ちる原因や、電源装置の切り替え後に出る短い電圧の乱れを追うならFluke 1777が本命です。毎秒100万回と2,000万回から選択でき、1回の過渡現象を500,000点で記録できます。
24インチiFlexなら太い導体を囲みやすく、長期調査では32 GBの記録容量も役立つでしょう。
一方で、1775より約18万円高く、ハードケースだけで約6.85 kgあります。差額と運搬負担を受け入れる前に、20 MS/sが必要かを整理しておきましょう。

フルーク両機の過渡差
サンプリングレートは、1秒間に何回記録するかを表します。1775は1 MS/sですが、1777は1または20 MS/sまで選べるのが大きな違いでしょう。
記録点数は1775が25,000点、1777が500,000点なので、短い波形を細部まで残したい場面では1777の差が出るでしょう。
ただし、測定周波数は両機とも直流~1 MHzで変わりません。20 MS/sを20 MHz帯域と混同しないでください。
インバーターや電源装置の切り替え時に出る跳ね上がりを解析するなら1777、通常の設備調査なら1775で足りるでしょう。
関連記事:
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フルーク両機のiFlex差
標準iFlexは1775が18インチ、1777が24インチで、数値は導体を囲むループ長です。
太いケーブル束には24インチが届きやすいでしょう。反対に、狭い盤内では18インチの方が収まりやすくなります。
どちらも対応iFlexで測れるのは1~1500 Aです。24インチでも測定上限は同じ、と覚えておきましょう。
なお、BasicにはiFlexが付きません。購入前に導体の外周、通す隙間、扉までの奥行きを測ってください。
フルーク両機のケース差
1775はソフトケース、1777はC1777ハードケースです。この組み合わせは、標準セットでもBasicでも変わりません。
建屋内で短く移動するなら1775のソフトケース、車載や宅配輸送まで考えるなら1777のハードケースが扱いやすいでしょう。
C1777は約22.9×35.6×55.9 cm、約6.85 kgで、3つの収納部とキャスターを備えます。
測定性能は1775で足りても、別売C1777を使えます。ただし、保管場所と車両に収まる寸法かは先に確認してください。
フルーク両機の標準セット
対応する電流プローブがない新規導入では、1775・1777とも標準セットが確実です。Basicでは、必要なプローブをそろえる追加費用がかかります。
| 構成 | Fluke 1775 | Fluke 1777 |
|---|---|---|
| 標準セット | Fluke 1775標準 18インチiFlex、磁石付き電圧プローブ(MP1)、ハンガー、無線モジュール、ソフトケース | Fluke 1777標準 24インチiFlex、MP1、ハンガー、無線モジュール、ハードケース |
| Basic | Fluke 1775/BASIC iFlex別売、無線モジュールなし、ソフトケース | Fluke 1777/BASIC iFlex別売、無線モジュールなし、ハードケース |
注意したいのは、販売ページの記載差。BasicにMP1付属と書かれた商品もあるため、プローブ本数と同梱品は見積書で確かめてください。
価格を見ると、1777/BASICへ24インチiFlexを1本足すだけでも標準セットを上回ります。すでに対応プローブを持つ場合だけ、Basicを候補に残すとよいでしょう。




関連記事:
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フルーク両機の共通点
過渡記録と付属品を除くと主要機能はほぼ同じで、1777だけがすべて高精度という違いはありません。
- 電圧4入力・電流4入力
- 電圧、電流、周波数、電力、電力量の測定
- 電圧低下・上昇、ちらつき、高調波の記録
- 100~690 Vの電力品質測定で国際規格Class Aに対応
- 安全区分は1000 V CAT III・600 V CAT IV
- 解析ソフトはFluke Energy Analyze Plus
過渡現象の範囲は両機とも±8 kV、測定周波数も直流~1 MHzで共通です。この2点を1777だけの上位差と考えないでください。
本体も28×19×6.2 cm・2.1 kgで変わりません。本体保証は2年、付属品保証は1年です。
フルーク両機の価格差
2026年7月30日時点では、1777標準は1775標準より180,586円高く、差は約12.9%です。
| 商品 | 価格 |
|---|---|
| Fluke 1775標準 | 1,402,003円 |
| Fluke 1777標準 | 1,582,589円 |
| Fluke 1775/BASIC | 1,319,413円 |
| Fluke 1777/BASIC | 1,542,470円 |
Basicでは電流プローブが別売です。必要な本数を足した総額を出してから比べましょう。
1777の差額で手に入るのは、20 MS/s、500,000点、32 GB、24インチiFlex、ハードケースです。
フルークの納期と校正
掲載した標準セットとBasicは、すべて取り寄せ表示です。測定日が決まっているなら、納入予定日を書面でもらってください。
Flukeは国内で修理と校正を受け付けており、推奨校正周期と本体保証は2年、付属品保証は1年です。
通常の校正明細と、測定基準を追跡できる校正証明書は別物です。監査用なら、証明書の種類を発注時に指定してください。
校正証明書は、データ付きが品番2132558、データなしが1259800です。追加費用と納期も、発注前に確認してください。
関連記事:
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QA
フルーク両機の電源は?
1775と1777は、測っている電気回路(測定回路)から本体へ給電できます。コンセントがない現場では、接続する回路の給電条件を確認してください。
フルーク両機の記録期間は?
1775は8 GBの内部メモリーを小型メモリーカード(microSD)で拡張でき、1777は32 GBのmicroSDを装着しています。1分間隔・異常記録100件(イベント)の条件例では、8週間の測定データを複数保存できます。ただし、実際の期間は記録項目や間隔、異常記録の件数で変わるため、この期間を固定値とは考えないでください。
フルークiFlexは選べる?
対応するI17XX-FLEX1500シリーズには、12・18・24インチがあります。標準付属の長さが盤内に合わない場合は、導体の外周と取り回しに合わせて別の長さを選んでください。
フルーク両機は雨天対応?
本体の防じん・防水性能を示す等級はIP50で、水への保護はありません。雨天や水しぶきがかかる場所では、濡れない測定環境を確保してください。
フルーク両機の購入結論
長時間の設備調査で1 MS/sと18インチiFlexで足りるなら、Fluke 1775標準セットがおすすめです。
20 MS/sで短い波形を追い、24インチiFlexとハードケースも使うなら、Fluke 1777標準セットを選びましょう。
対応iFlexがあり、付属品が不要なら通常はFluke 1775/BASIC、高速過渡はFluke 1777/BASICで足ります。
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